2024.12.20

サブスクビジネスの利益の仕組み|従来のビジネスとの違いや管理指標も解説

サブスクリプションモデルは、定期的な収益を生み出す現代のビジネス戦略として注目されています。しかし、サブスクビジネスならではの利益の仕組みや管理指標を理解していないと、事業の成功は難しいでしょう。本記事では、サブスクビジネスの利益構造や重要な管理指標などについて解説します。

BtoB向け継続課金サービスの事業を成功させるためには、利益の仕組みを理解するだけでなく、いくつか押さえるべきポイントがあります。成功のポイントを詳しく知りたい方は「BtoB継続課金ビジネスを成功に導く販売・請求管理」をお読みください。


目次
サブスクビジネスとは
従来型ビジネスモデルとの違い
サブスクビジネスの利益の仕組み
サブスクビジネスと従来のビジネスモデルの利益の仕組みの違い
サブスクビジネスの利益に影響する主な指標
SaaS事業の契約管理、料金計算、請求書発行・代金回収までを支える「Scalebase」


サブスクビジネスとは

サブスクリプションビジネス(サブスクビジネス)とは、顧客に商品やサービスを定期的に提供し、その対価として毎月または毎年など決まった期間ごとに、一定の料金を受け取るビジネスモデルです。

従来の買い切り型のビジネスでは、商品やサービスを一度購入すれば取引が終了します。しかし、サブスクビジネスでは顧客と長期的な関係を築き、定期的な収入を得られます。企業にとっては安定した収益が期待でき、顧客との信頼関係を築けるというメリットがあります。

身近な例では、NetflixやSpotifyなどの動画・音楽ストリーミングサービス、配送特典等が受けられるAmazonのPrime会員サービス、ヨガ教室の月会費制などがサブスクビジネスに当てはまります。このように、サブスクビジネスは私たちの生活に深く浸透しており、さまざまな業界で活用されているビジネスモデルです。



従来型ビジネスモデルとの違い

サブスクビジネスと従来型ビジネスモデルの主な違いは、収益構造と顧客との関係性にあります。

特徴          サブスクビジネス    従来型ビジネスモデル  
収益構造定期収益1回限りの収益
顧客関係長期的短期的
データ活用高い低い
在庫管理不要(デジタルコンテンツの場合)必要

サブスクビジネスは顧客から定期的な料金を受け取ることで、安定した収益が得られます。また、顧客と長期的な関係を築け、継続的なサービス提供を通じて顧客満足度を高められます。顧客がどのようにサービスを使っているかを分析することで、サービスの改善や新しい価値提供が可能です。

一方、従来型ビジネスモデルでは、商品やサービスを一度購入してもらうことで収益を得ます。一度の取引で関係が終了することが多く、顧客との長期的な関係を築くのが難しいです。物理的な商品を扱うため、在庫管理や物流コストも発生します。



サブスクビジネスの利益の仕組み

サブスクビジネスの利益を計算する方法は、以下のとおりです。

利益=顧客数×顧客一人あたりの利益-事業運営にかかるコスト

計算式から、利益を増やすためには顧客数を増やすか、顧客一人あたりの利益を向上させる施策が必要だと分かります。顧客と深い関係を築き、サービスを継続的に利用してもらうことがビジネス成功の鍵です。


サブスクビジネスと従来のビジネスモデルの利益の仕組みの違い

サブスクビジネスと従来のビジネスモデルでは、利益を上げる仕組みが大きく異なります。

従来のビジネスでは商品を買ってもらったり、契約してもらったりすることが目標のため、目標を達成すると顧客との関係は薄くなりがちです。

一方、サブスクビジネスではサービスの契約はゴールではなく、スタート地点に過ぎません。契約後も継続してサービスを利用してもらうことが目的となります。

そのため、従来のビジネスでは商品開発が完了すると、マーケティングなどにしかお金をかける必要がありません。しかし、サブスクビジネスでは顧客に継続して利用してもらうために、サービスを常に改善し続けなければならないのです。


サブスクビジネスの利益に影響する主な指標

サブスクビジネスを成功させるために、特に押さえておくべき指標が4つあります。

それぞれの指標について詳しく解説します。

顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)

顧客生涯価値とは、1人の顧客が企業にもたらす総収益のことを指します。具体的には、顧客が製品やサービスを継続的に利用する期間を通じて、その顧客から得られる収益を現在価値で算出したものです。

LTVを向上させるための戦略には、顧客満足度を高めるキャンペーンの実施や、アップセルやクロスセルの推進などがあります。

月間経常収益(MRR:Monthly Recurring Revenue)

月間経常収益とは、「毎月決まって得られる継続的な売り上げ」を指します。月間の収益を表す指標のため、SaaSビジネスの中でも契約期間が月単位のサービスであったり、月額での請求を行っている場合に、重要視されます

また似た指標としてあるARRは、「Annual Recurring Revenue」の略で、「年間経常収益」です。MRRとARRは対象とする期間が月間か年間かという点に違いがあります。

顧客獲得コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)

顧客獲得コストとは、新規顧客を獲得するためにかかる総費用のことを指します。具体的には、マーケティングや広告、営業活動にかかる費用を含みます。

CACが低いほど、効率的に顧客を獲得できていることを示します。一方、顧客生涯価値と比較することで、顧客獲得にかかるコストが適切かどうかを判断できます。理想的には、LTVがCACを上回る状態が望ましいです。

平均収益単価(ARPU:Average Revenue Per User)

平均収益単価とは、1人のユーザーから得られる平均的な収益を示す指標です。これは、企業がどれだけ効率的にユーザーから収益を得ているかを測るために使用されます。

高いARPUを維持するためには、ユーザーに対して価値のあるサービスや製品を提供し続けることが求められます。また、市場調査や競合分析を行い、価格設定を見直すこともARPUを向上させる効果的な方法です。

顧客解約率(CCR:Customer Churn Rate)

顧客解約率とは、特定の期間内にサービスを解約した顧客の割合を示す指標です。これは、サブスクリプションビジネスや定期サービスを提供する企業にとって、非常に重要な指標です。

CCRが高い場合、顧客がサービスに満足していない可能性があり、サービスの質や顧客サポートの改善が必要です。一方、CCRが低い場合、顧客がサービスに満足していることを示し、長期的な収益の安定が期待できます。

CCRを低く保つためには、顧客満足度の向上や定期的なフィードバックの収集、サービスの改善が効果的です。


サブスク事業の契約管理、料金計算、請求・代金回収までを支える「Scalebase」

サブスクリプション・従量課金ビジネスを成功に導く販売・請求管理システム「Scalebase」を紹介します。

Scalebaseは、営業が使用するSalesforceなどのCRM・SFAと、経理が使用する会計ソフトの間に位置するサービスです。サブスクリプションビジネスならではの複雑な契約形態、従量課金において取引量に応じて変動する料率設定、オプション機能の追加などを踏まえた契約変更の履歴管理に対応しています。

請求管理では、Scalebaseで設定した計算式(商品マスタ)と使用量データのインポートによる料金計算、サービス・オプションを組み合わせた合計請求額などを自動で算出し、請求書発行にまで対応。前受収益の管理や会計ソフト連携にまで対応しています。



さらにScalebaseでは、契約・請求データをもとに毎月のMRRやChurn Rateの可視化にも対応しています。毎月、顧客に出す請求のデータをそのまま活用するため、正確な数字を設定なしで可視化します。継続課金ビジネスの販売戦略・プライシング戦略に最適化された販売・請求管理システムとして、BtoB継続課金ビジネスを展開する200社以上の企業に導入いただいています。



まとめ

本記事では、サブスクビジネスの利益の仕組み・従来のビジネスモデルとの違い・重要な管理指標について解説しました。

サブスクビジネスは、安定した収益と顧客との長期的な関係構築が可能なビジネスモデルですが、従来型ビジネスとは異なる利益の仕組みを理解する必要があります。ご紹介した管理指標を適切に管理し改善策を講じることで、より高い利益を生み出せるでしょう。

サブスクビジネスの運営でお悩みの方は、サブスク企業が多く使用する販売・請求管理システム「Scalebase」をぜひチェックしてみてください。サービスについて詳しく知りたい方は「サブスクリプション管理の業務効率化 | Scalebase(スケールベース)」から資料をダウンロードできます。


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