2024.12.12
サブスクリプションは、継続的な課金の仕組みにより、毎月安定的に収益をつみあげられることが大きなメリットとされています。その反面、毎月の請求を行う必要があり、その業務プロセスの設計が重要視されています。
ここでは、サブスクリプションの請求書発行について、Excelでの限界と請求システムの価値についてご紹介します。
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目次
サブスクリプションの仕組み
サブスクリプションの種類
サブスクリプションビジネスで請求業務が重要な理由
サブスクリプションにおける請求業務の課題
効率化のポイントは請求システム
サブスクビジネスのための販売・請求管理システム「Scalebase」
サブスクリプションは、月額や年額など、定期的に利用料を請求する形式で、一定期間、商品やサービスを提供するビジネスモデルのことです。動画や音楽などのストリーミングサービス、商品の定期配送、SaaSなど、さまざまな業種・形態で用いられています。
サブスクリプションは、顧客との長期的な契約関係を前提としているため、一度軌道に乗れば収益が安定しやすいのが特徴です。また、顧客へサービス提供を続ける中で、蓄積される利用データなどから問題点を見つけ出し、顧客の声を反映させたサービス改善を行いやすいというメリットもあります。
サブスクリプションは、さまざまなサービスで採用されています。下記に業種ごとに主なサービスを紹介します。
メディア/エンターテインメント | 動画ストリーミングサービス(Netflix、Amazon Prime Video、Disney+など) 音楽ストリーミングサービス(Spotify、Apple Musicなど) 雑誌や新聞の定期購読 |
ITサービス | クラウドサービス(Adobe Creative Cloud、Dropbox、Google Driveなど) オンラインセキュリティソフトウェア(Norton、McAfeeなど) |
健康サービス | オンラインフィットネスやトレーニングプログラム 健康食品やサプリメントの定期配送 |
教育サービス | オンライン教育やE-ラーニング 言語学習アプリ など |
住環境サービス | 賃貸の家賃 家具家電の月額制レンタル |
【参考記事】BtoBサブスクリプションが進む業種や、従来型ビジネスとの違いなどを詳しく解説!
サブスクリプションは、顧客に対して継続的にサービス提供を行い、定期的に課金を行うことで成り立つビジネスです。料金も月単位では安価に設定されており、一定期間以上継続してもらうことで損益分岐点を上回ることを目的としています。
そのため、事業者としては請求業務を毎月正しく行えなければ、収益を確保できないことになります。また、長期的な契約関係を前提としたビジネスモデルのため、顧客に不信感を与えかねない請求ミスは絶対に避けたいものといえます。
【参考】サブスクリプションに対応した販売・請求管理システム「Scalebase」
サブスクリプションでは、同一の顧客に対して定期的に請求書を発行する業務が発生します。例えば、毎月の請求で、2年間サービスを提供した場合だけでも24回請求・課金を行うことになります。サブスクリプションは初期費用の負担も少ないため、新規顧客も獲得しやすいモデルです。ただし顧客の増加は、毎月対応すべき請求件数の増加を意味することをまず理解することが重要です。
利用者のニーズが多様化するとそれに合わせて、複数のプラン、カスタマイズ可能なオプションなど、多様な選択肢を提示することが求められます。顧客がプランやオプションを自由に選べるようになると、組み合わせは無数になり、その管理が必要になります。
また顧客によっては、利用状況に応じてプラン変更やオプション付け外しも発生します。請求業務を正しく行うためには、現在適用されている契約内容を上書きで対応するのではなく、契約開始日からの変更履歴まで丸ごと記録できることが最善ですが、そのぶん管理は複雑になります。
特に法人向けにサービス提供する場合、顧客によって締め日や請求サイクル、契約更新タイミング、料金について、個別で調整を行うケースがあります。契約条件の多様化はそのまま請求管理業務の複雑化につながります。顧客の要望に合わせることで受注力を高める一方で、請求の運用にはより柔軟性が求められます。
サブスクリプションでは、プランやオプションごとに料金が設計され、その内容も一定額を請求する定額課金制だけではありません。使用量に基づいて請求を行う従量課金制、定額課金制と従量課金制を組み合わせ、オプションに関してはスポットのみなど多岐にわたります。利用状況に応じて料金が変わる従量モデルは、顧客にとって納得度が高く、事業者にとっても利益を最大化させることに繋がりますが、一方で締め後の料金計算が必要になり、請求・課金業務の負担は大きくなります。
【参考記事】従量課金とは?メリット・デメリットから具体事例まで徹底解説
サブスクリプションビジネスの請求には、いくつかのパターンがありますが特に基本的なのは2つのケースです。
①単月請求の場合
最も基本的な経理処理です。毎月同じタイミングで売掛金として計上し、顧客から入金があれば売上として計上し消込を行います。
②年間一括請求の場合
年払いの場合は、1年分の代金を先にもらうため、顧客からの入金金額を前受収益として計上します。そして1年分の請求金額を各月で按分し、前受収益を取り崩す形で売上として計上します。この場合、請求回数を減らすことができますが、前受収益の管理が必要になります。
それぞれの会計処理を表すと以下のようなイメージです。
ただし実態は、より複雑です。例えば、年間一括請求時に12か月できれいに割り切れず端数が発生するケース(年間利用料100万円など)や、キャンペーンなどで無料期間があるケース、1年分を超えた料金を処理するケースなど、それぞれで異なった対応が必要になります。
複雑な請求業務と経理処理が生じるサブスクリプションビジネスでは、Excelを利用した管理には限界があります。業務をスムーズに行うためにも、請求システムは1つの解決策になり得ます。
請求システムには、例えば以下のような機能があります。
・請求データの作成
請求書を正確に発行するために、顧客情報や契約情報を管理します。契約管理では、プランの変更やオプションの付け替え、更新のアラートなど時系列で管理することが可能です。また提供サービスの合算や、従量課金の料金計算などの複雑な内容にも対応しており、顧客に対してどのタイミングでいくらの請求書を発行するのか毎月の請求データの作成まで行ってくれます。
・請求書の自動作成
毎月月末や毎月1日などの請求サイクルを設定し、請求書を毎月自動で作成する機能です。同一顧客に定期的に請求することになるため、1度登録した顧客情報や請求情報をもとに毎月自動で処理してくれるだけで業務を大幅に効率化してくれます。また請求漏れを防ぐことができます。
・請求書の送付(郵送代行)
メール送付、管理画面経由でのPDF貼付など、それぞれの顧客に適した方法で請求書を送信する機能です。送信後の請求書の追跡や再送信も行うことができ、紙で郵送をする場合も、郵送代行を使うことで印刷・封入・投函などの処理をなくすことができます。
・請求書の保存
請求書を電子取引で処理した場合、原則電子での保存が義務付けられています。電子帳簿保存法対応JIIMA認証のサービスの場合、請求書の保存にも対応できます。また紙での管理と比較し、検索性に優れているのが特徴です。
・入金消込
銀行の入金明細データを取り込むことで、各顧客の請求金額や口座名義をもとに合致する入金を自動で消し込むことができます。入金消込に対応することで、未入金管理から催促までの一連の業務をフォローします。
【参考記事】入金消込とは?注意すべき点と効率化のポイントについて解説
・他システムとの連携
クレジットカードや口座振替など決済システムとデータ連携により、請求書の発行~毎月の決済の自動化にまで対応可能です。二重のデータ登録が不要になり、ミスの心配もなくなります。また決済手段ごとに請求データが散在することがなく、支払い履歴までリアルタイムで追跡できるようになります。
請求システムにはさまざまなメリットがありますが、主に効率化と精度向上の点で大きな利点があります。
①請求書発行にかかる時間を大幅に削減できる
提供サービスの契約管理、料金計算、請求書の自動作成やメール送信、郵送代行、追跡などに対応することで、請求担当者の負担を大きく軽減できます。サブスクリプションは顧客数を増加させやすい一方で、管理体制の人手不足やコストが増大する課題があります。システム化により事業が成長しても、持続可能な運用を構築することが重要です。
②精度が向上し、ヒューマンエラーを減少できる
請求業務を手作業で行う場合、請求数・頻度が多くなるにつれてミスも発生してしまいます。特に、データの入力ミスや書式の統一性、既存顧客の契約変更処理などは課題になります。請求業務をシステム化することで、単純な処理漏れや宛先ミスや発送ミスを防ぐことができ、より精度の高い請求業務を行えます。
③紙の請求書を扱わなくて済む
請求書は発行側にも保管義務があり、紙の請求書には保管場所の問題も伴います。システムの導入によりデータとして一括管理でき、請求書の検索も容易になります。
請求システムによって、特徴が異なります。そのため、自社に最適なシステムを選ぶ際に何に着目して比較検討すればいいのか迷われる方もおられるでしょう。ここでは、請求システムの比較ポイントをご紹介します。
①必要機能とコストの整理
ニーズに合った機能を持つシステムを選びましょう。以下のようにそれぞれ特徴によって価格も変わるため、考慮したうえで決めることが重要です。
・契約の履歴管理に対応したシステム
・契約情報をもとに料金計算を自動で行ってくれるシステム
・請求書発行のみを行うシンプルなシステム
・請求書のメール送付や郵送代行に対応したシステム
・見積書や発注書など様々な帳票に対応したシステム
・入金消込や督促業務に対応したシステム
・サブスクに特化した自動請求システム など
②使いやすさとサポート
直感的に使いやすいシステムかどうかも重要です。請求業務は、急な契約変更や料金調整などのイレギュラーが頻発します。その際に充実したサポートが受けられるかという点での検討も重要です。
③既存システムとの連携
会計・決済領域で既に導入しているシステムがあれば、連携が可能かどうか確認しましょう。システム同士が分断されると効果が半減してしまいます。また、顧客管理システム(CRM)と連携できれば、商談情報を基にした請求書の作成・売上の計上が可能になります。将来も見据え、API連携やデータのCSV出力などに対応しているか、柔軟性と拡張性の高いシステムを選んでおくと便利でしょう。
サブスクリプション・従量課金ビジネスを成功に導く販売・請求管理システム「Scalebase」を紹介します。
Scalebaseは、営業が使用するSalesforceなどのCRM・SFAと、経理が使用する会計ソフトの間に位置するサービスです。サブスクリプションビジネスならではの複雑な契約形態、従量課金において取引量に応じて変動する料率設定、オプション機能の追加などを踏まえた契約変更の履歴管理に対応しています。請求管理では、Scalebaseで設定した計算式(商品マスタ)と使用量データのインポートによる料金計算、サービス・オプションを組み合わせた合計請求額などを自動で算出するため、ミスなく迅速に請求データの確定が行えます。
作成された請求データはScalebaseから請求書の発行、もしくは決済システムへの連携され、毎月の請求業務を効率化に貢献します。
さらにScalebaseでは、契約・請求データをもとに毎月のMRRや解約率の可視化にも対応しています。毎月、顧客に出す請求のデータをそのまま活用するため、正確な数字を設定なしで可視化します。継続課金ビジネスの販売戦略・プライシング戦略に最適化された販売・請求管理システムとして、BtoB継続課金ビジネスを展開する200社以上の企業に導入いただいています。
複雑で大変なサブスクリプションの請求管理には、システムの導入がおすすめです。「Scalebase」は、契約管理から請求まで一気通貫で行える環境を提供します。請求に課題がある、特に顧客ニーズに応じて、提供サービス(プランやオプションの設計、料金体系)が多様化している事業者にはおすすめのサービスです。
サブスクリプション事業での請求書発行にお悩みの方、Scalebaseの詳細について知りたい方は「Scalebase(スケールベース)請求書管理の業務効率化」もぜひご覧ください。
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