2024.10.16

リカーリングとは?サブスクリプションとの違いや特徴を解説

「繰り返す」「循環する」という意味を持ち、継続的な利益、つまり経常収益の獲得を目指すビジネスモデルのことを指すリカーリング。従量課金ビジネスとも言い換えられ、近年注目度の高いビジネスモデルです。

この記事では、「リカーリング(従量課金ビジネス)」について、サブスクリプションとの違いや特徴などについて解説します。


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目次
リカーリングとは
リカーリングとサブスクリプションの違い
リカーリングビジネスの事例
リカーリングビジネスのメリット
リカーリングビジネスの課題
サブスク・リカーリング管理システムの「Scalebase」
まとめ


リカーリングとは

リカーリング(Recurring)とは、「繰り返す」「循環する」という意味を持ち、継続的な利益、つまり経常収益の獲得を目指すビジネスモデルのことを指します。

一般に、ビジネスモデルはフロー型とストック型に二分されます。フロー型のビジネスモデルは、継続性のない単発の取引によって売上をあげていく一方、ストック型のビジネスモデルは、顧客と一定期間契約を結び、商品やサービスを販売し続けることで安定した収入を確保していきます。

リカーリング(Recurring)は、継続的にサービスを提供し利益を得るストック型のビジネスモデルで、毎月の通信費や電話料金を請求する通信サービスなどが、リカーリングビジネスの一例としてあげられます。



リカーリングとサブスクリプションの違い

ストック型ビジネスで、リカーリングと近い概念にサブスクリプションがあります。いずれも、経常収益の獲得を目指すという点で共通しており、明確な違いはありません。一般的に、サブスクリプションを「定額制」、リカーリングを「従量制」と、料金システムで区別することが多いです。

【参考:従量課金とは?メリット・デメリットから具体事例まで徹底解説


サブスクリプションは、顧客が製品やサービスの利用権を購入するもので、利用期間中の固定費を設定します。Disney+やNetflixなどの定額動画配信サービス、衣料品や食料品などの生活必需品を継続的に配送する定額サービスなどがサブスクリプションの例になります。

一方、リカーリングは、定額ではなく、使用状況に応じた従量課金のサービスです。例えば、スマートフォンを利用する際、ユーザーは携帯端末の購入のほかに、毎月のデータの使用量や通話料、消耗品等の購入が必要になります。毎月の利用状況によって支払い金額が変動する通信サービスは、リカーリングビジネスと言えます。


リカーリングビジネスの事例

リカーリングビジネスは、従来から存在するビジネスモデルです。サブスクリプションビジネスとの違いを意識しながら、通信サービス以外の事例を見ていきましょう。

・プリンターとトナー、インク

プリンター本体は、1度購入をすれば故障するまで使い続けられますが、トナーやインクは量に限りがあり、使い切った後は新しい商品を購入する必要があります。トナーやインクは対象メーカーのプリンターとセットになっていることが多く、必要になったタイミングで補充が必要になるので、リカーリングビジネスとして売上につなげることが可能です。

・家庭用ゲーム機とゲームソフト

家庭用ゲームも、本体とゲームソフトが必要です。新しい作品がリリースされる度に購入する可能性があり、こちらもプリンター同様、継続的に利益を得られるモデルになっています。近年のデジタル化によって、毎月定額でゲームソフト遊び放題といったサブスクリプション型の展開をしているケースもあります。

・電気、ガス、水道などの光熱費

電気・ガス・水道などの生活インフラもリカーリングといえます。水道光熱費は、毎月の基本料金に加えて、使用量に合わせて料金が加算されます。エアコンを1ヵ月つけっぱなしにして、夏場の電気代が高騰したケースなどは、この従量課金の料金設計が理由になります。

・ソフトウェアサービス(法人向けの電子契約サービスなど)

近年、ソフトウェア(SaaS)なども定額+従量モデルのリカーリングが適用されています。例えば、法人向けの電子契約サービスなどでは、システムの月額利用料に加えて、取引先と電子契約を取り交わす処理件数ごとにいくらといった従量課金が適用されるケースがあります。



リカーリングビジネスのメリット

ここでは、リカーリングビジネスのメリットを3点紹介します。

・収益が安定しやすい

経常収益の獲得を目指したビジネスモデルのため、リカーリングビジネスは毎月収益が安定しやすいといえます。新規顧客の獲得を絶えず求められる売り切り型のビジネスモデルは、毎月の売上を安定させることは容易ではありません。その点、リカーリングビジネスでは、利用を開始した顧客は、商品やサービスを利用するために定期的に料金を支払うことになります。1ユーザーから中長期にわたって収益を得ることができます。

・顧客と継続的な関係性を築ける

リカーリングビジネスは、サービスを利用する上でベースとなる本体機器やプラットフォームが必要になることが多く、乗り換えしにくいという点も特徴の1つです。
また、オプションの追加(アップセル)や関連商品の同時販売(クロスセル)などを通して顧客単価の向上が狙える点も事業者にとっては魅力的です。

・顧客のニーズに合わせた価値提供が可能

従量課金を採用する場合、顧客の実際の使用状況に応じて料金が変動するため、サービスの提供価値と請求金額をリンクさせることができます。顧客のニーズに応じて適切なサービス利用料を請求でき、提供価値の最大化することで、同時に利益も最大化させることができます。
さらに、属性情報をはじめとした幅広いデータを蓄積し、分析することで今後のサービス改善や販売戦略の立案に役立てることもできます。


リカーリングビジネスの課題

リカーリングビジネスには、多くのメリットがある一方で、気を付けるべき点もあります。ここでは2点紹介します。

・契約内容の把握が困難になる

一人一人の顧客に合わせた価値を提供し、サービスに見合った料金を請求する場合、同時に、契約内容やサービスの利用状況や課金方法、契約期間などの管理が必要になります。また、複数プランやオプションが提供されている場合は、月途中のプラン変更の手続きなども発生します。
顧客数が増えるにつれて契約管理の件数も増加し、かつ常に変更される可能性がある契約内容を、顧客ごとに正確に管理することが求められるため、かなり煩雑なものになります。

・請求業務が煩雑になる

請求書の発行や送付はもちろん重要な作業ですが、従量課金を採用する場合はさらに、顧客の使用実績に基づいた請求金額の算出等も必要になります。実績データ確定後の算出になるため、締め日から請求まであまり余裕がなく、毎月の請求データの作成に大きな負荷がかかります。



サブスク・リカーリング管理システムの「Scalebase」

リカーリングビジネスは継続的な契約を前提とするため、毎月請求を行う必要があります。そして従量課金といった複雑な課金モデルを適用した場合、請求額の算出をはじめとした作業に大きな負担がかかります。

そこでご紹介するのが「Scalebase」というサービスです。Scalebaseは、SaaSやサブスク・リカーリングなど、あらゆる継続課金ビジネスに特化した販売・請求管理SaaSです。

特に、毎月の従量課金の計算は、毎月の使用量データをインポートするだけ。事前にScalebaseで設定した計算式をもとに、自動で請求金額の算出をするため、ミスなく迅速に請求データの確定が行えます。

他にも、顧客ごとに異なる契約条件、日割りなどやキャンペーンなどの適用といった情報を、正確に管理し、契約の変更履歴も残すことができるため、複雑化しがちなサブスクリプションビジネスの契約・請求業務を誤りなくスムーズに行えます。




まとめ

リカーリングビジネスは、従量課金の料金設計をもとに収益の安定化が見込め、継続的な利益を追求できるビジネスモデルです。一方で、顧客ごとに提供される契約内容の正確な把握と、使用実績をもとにした請求金額の確定など、契約・請求管理に大きな負担が発生します。

リカーリングビジネスで顧客との良好な関係性を構築し、収益の確保に集中するためにも、業務最適化のプロセスを的確に実行することが求められます。



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