2025.9.18
近年、利用量に応じて料金が変動する「従量課金」モデルを採用する企業が増えています。顧客にとっては「使った分だけ支払う」公平な料金体系ですが、事業者側、特に経理部門にとっては請求・計算業務の複雑化という大きな課題を生み出しています。
「Excelでの計算や管理に限界を感じている」「毎月の請求業務が属人化している」「事業の成長にバックオフィスが追いつかない」といったお悩みはありませんか?
本記事では、SaaSビジネスにおける従量課金の請求・計算業務でよくある課題を整理し、Excel管理の限界と、それを解決する従量課金管理システムの有効性について、具体的な事例を交えながら解説します。
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目次
従量課金とは?定額課金との違い
SaaSビジネスで採用される多様な従量課金モデル
従量課金の請求・計算業務における3つの課題
エクセル・スプレッドシートで従量課金の請求管理を行う場合の問題点
従量課金の請求業務を効率的に行う「Scalebase」
従量課金とは、サービスの利用量や時間、回数に応じて料金が変動する課金方式のことです。公共料金や通信サービスなどで古くから採用されていますが、近年ではクラウドサービスやSaaSビジネスでも広く導入されています。
一方、定額課金は、利用量にかかわらず毎月決まった金額を支払う方式です。両者の違いは以下の通りです。
項目 | 従量課金 | 定額課金(サブスクリプション) |
---|---|---|
料金の決まり方 | 利用量に応じて変動する | 利用量にかかわらず固定 |
ユーザーメリット | ・使った分だけ支払うため公平 ・利用が少ない月はコストを抑えられる | ・料金が一定で予算管理がしやすい ・利用量を気にせず使える |
事業者メリット | ・顧客の成長が自社の収益増に直結 ・利用がなくても解約されにくい | ・収益が安定し、予測しやすい |
事業者デメリット | ・収益予測が難しい ・請求・計算業務が複雑化する | ・ヘビーユーザーからの収益機会を逃す可能性 |
SaaSビジネスで用いられる従量課金は、単純な「使用量×単価」だけではありません。事業の特性に合わせて、様々なモデルが組み合わされています。
・使用量課金
APIコール数やデータストレージ容量など、サービスの利用量に応じて課金する最も一般的なモデルです。
・ユーザー数課金
サービスを利用するアカウント数に応じて課金するモデルで、多くのBtoB SaaSで採用されています。
・アクティブユーザー数課金
実際にサービスを利用したユーザー数だけを課金対象とするモデルです。利用実態に即しているため顧客の納得感が高いのが特徴です。
・超過従量課金
基本料金に含まれる一定の利用枠を超過した分だけ、従量で課金するモデルです。
・段階制(ティア)課金
利用量に応じて段階的に料金単価が変動するモデルです。例えば、データ転送量が増えるほど単価が安くなる、といった設計が可能です。
多様な料金モデルは顧客満足度を高める一方で、経理・事業部門の請求・計算業務を著しく複雑化させます。特にExcelやスプレッドシートによる手動管理には、事業成長を妨げる大きな課題が潜んでいます。
段階制料金、顧客ごとの特別割引、キャンペーン適用など、従量課金の計算ロジックは非常に複雑になりがちです。これらをExcelで管理しようとすると、担当者が作成した関数やマクロがブラックボックス化し、他の誰も触れない「属人化」した状態に陥ります。 また、計算ミスによる誤請求リスクに常に晒され、二重チェックに多大な工数を要することになります。
多くの企業では、契約情報はSalesforceなどのSFA/CRM、使用量データは基幹システム、そして請求計算はExcelと、情報が各所に分散しています。 これにより、担当者は毎月各システムからデータを抽出し、手作業で突き合わせる作業に追われます。このプロセスは時間と手間がかかるだけでなく、データの転記ミスや連携漏れといったヒューマンエラーの温床となり、請求金額の不一致や請求漏れを引き起こす原因となります。
事業が成長し、顧客数や契約数が増えるにつれて、Excel管理は限界を迎えます。ファイルの動作が重くなり、管理が煩雑になるだけでなく、新しい料金プランやサービスを追加する際の柔軟性も損なわれます。 このような状況では、市場の変化に迅速に対応し、ビジネスチャンスを掴むことは困難です。
Excel管理の限界をクリアにし、従量課金ビジネスを成長させるためには、請求・計算業務を自動化する「従量課金 管理システム」の導入が有効です。 管理システムは、これまで手作業で行っていた複雑なプロセスを自動化し、属人化を解消します。
Excel管理の課題 | 管理システムによる解決策 |
---|---|
複雑な計算と属人化 | 段階制や超過料金など複雑な料金プランを商品マスタとして設定し、計算を完全に自動化。誰でも正確な請求データを作成可能に。 |
データの分断 | SFA/CRMや基幹システムとAPI連携し、契約情報や使用量データを自動で集約。手作業による連携ミスを防止。 |
事業成長への対応の遅れ | 新プランの追加や料金改定もマスタ設定の変更だけで柔軟に対応。事業スピードを加速させる。 |
SaaS・サブスクリプションビジネスに特化し、複雑な従量課金管理を強みとしているのが、クラウド販売・請求管理システム「Scalebase」です。「Scalebase」は、見積から契約、請求、収益管理に至るまで、サブスクリプションビジネスの販売プロセスを一元管理し、データのつながりを実現します。
【Scalebaseが解決できること】
• 多様な料金モデルへの標準対応:
段階型従量、超過従量、日割り計算、顧客ごとの個別割引など、複雑な料金計算に標準機能で柔軟に対応します。
• 使用量データの自動連携と計算自動化:
基幹システムなどからAPIで使用量データを連携し、契約情報に基づいた請求額を自動で算出します。
• 契約変更履歴の可視化と内部統制強化:
プラン変更やオプション追加などの契約変更履歴をタイムライン形式で一元管理。これにより、請求内容の正確性を担保するだけでなく、内部統制の強化にも貢献します。
• リアルタイムでの経営指標の把握:
MRRやチャーンレートといった重要KPIをリアルタイムで可視化。Excelでの集計作業なしに、データに基づいた迅速な経営判断を支援します。
従量課金は、顧客に柔軟な価値提供を可能にする一方で、事業者の請求・計算業務を複雑化させます。特に、事業の成長期においてExcelでの手動管理は、誤請求のリスク、業務の属人化、事業スピードの低下といった深刻な問題を引き起こしかねません。
これらの課題を解決し、ビジネスを次のステージへ進めるためには、従量課金に対応した管理システムの導入が不可欠です。
「Scalebase」は、複雑な従量課金の計算・請求管理を自動化し、業務効率化と事業成長を支援するパートナーです。Excel管理に限界を感じている、より正確で効率的な請求業務フローを構築したいとお考えの担当者様は、ぜひ一度「Scalebase」の資料をご覧ください。「従量料金計算の業務効率化 | Scalebase(スケールベース)」からも資料をダウンロードできます。
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