PMF後に備えた成長基盤を構築。属人性を解消し、請求業務をCEOから1人目のコーポレート担当へ

社名/SecureNavi株式会社

業種/情報通信

事業立ち上げ直後においては、CEO自身が請求書業務を行うことあります。顧客数が増加するにつれ請求業務を早く手放したいと思う一方で、属人化したアナログな請求管理や引き継ぎのタイミングは、大きな課題になります。

今回は、Scalebaseにより請求管理を仕組み化し、CEOから1人目のコーポレートメンバーへ引き継ぎを行った事例として、ISMS・Pマークオートメーションツール「SecureNavi」を提供するSecureNavi株式会社の代表取締役CEOの井崎 友博様(写真・中央)、コーポレート本部から本部長の間瀬様(写真・右)と青木様(写真・左)に、お話を伺いました。



-会社と事業の概要について教えてください。

井崎 様:
SecureNaviは、組織の情報セキュリティレベルを向上させるクラウドサービス「SecureNavi」を提供しています。情報セキュリティと聞くと技術的なサービスをイメージされますが、弊社では社内規程の管理やリスクアセスメント、内部監査、ISMS/Pマークなどの認証取得といった「文系のセキュリティ」領域を対象にサービスを展開しています。

「SecureNavi」を利用し、ExcelやWordによるアナログな運用を削減することで、従来であれば40〜50種類程度の書類作成が必要であるISMS認証・Pマーク認証の取得を、必要最低限の工数・リソースで行うことが可能です。2020年5月のリリースから約3年で、数百社以上の企業様に導入いただいています。



CEOが1人で100通近くの請求書を送付。毎月3営業日の夜20時から焦りながら取り組んでいた

-「SecureNavi」の請求業務に特徴はありますか?

間瀬 様:
料金プランに関しては、一般的なSaaSサービスと同様、初期費用と月額費用で構成されており、月額費用は3万円〜数十万円程度の価格幅で3つのプランを用意しています。

SaaSのスタートアップということで、検証的な意味合いもあり、比較的シンプルな料金プランで今まで提供してきました。2023年5月でプロダクトのリリースからちょうど3年を迎え、機能の充実や顧客のニーズに合わせて、これから料金体系を少しずつ工夫しようという状況です。


-Scalebase検討の背景、導入前の課題はどのようなものですか?

井崎 様:
検討をはじめたのは、顧客数が約100社、従業員数が4人のときです。さらに言えば、「ISMS認証取得 × 都内のITスタートアップ」でPMFしはじめ、月当たり受注が10社を超えてきた頃でした。

当時はコーポレート部も存在せず、代表の私が一人で100通近くの請求書を送っていました。スプレッドシート上で、縦に会社名、横に年月を並べて、毎月の請求金額を管理し、その内容を請求書発行で使用するfreeeに手入力を行うといった具合です。利用2カ月目以降のお客さまはfreeeの自動発行機能を活用できるので入力作業は1カ月分の受注のみですが、アップセルやダウンセルにより金額を修正するケースもあったので、毎回紙に印刷して1通1通を目視確認をして発送していました。

顧客数の増加は嬉しかったですが、月初3営業日以内に送付すると約束している請求書の対応がとても憂鬱で、毎月3営業日目、夜20時くらいから取り組んでいました。短期間で顧客数が大きく増加しており、組織もスケールさせていくフェーズだと感じたため、属人性の排除と効率化を実現し、業務を引き継いでいこうと決断しました。


-Scalebase導入の決め手について教えてください。

井崎 様:
事業フェーズなどを考慮し、無理なく使える予算内で、業界のスタンダードになっているサービスを利用したいと考えていました。そのような中、「SaaSの請求管理で国産のサービス」を考えた時に、最初に浮かんだのがアルプさんでした。Scalebaseの導入実績にSecureNaviのお客さまが多く存在していたこともあり、安心して採用できました。

サービスとしては、レポート機能のダッシュボードが見やすく、事業数字の見える化に活かせることも魅力でした。当時、関数など駆使してExcelで集計していましたが、集計漏れもあり信頼性に欠けると感じていました。株主に共有する情報でもあるので、請求書ベースのサマリーは信頼性を担保でき、また報告業務の簡略化にも繋がると考えました。




属人化していた請求業務を仕組み化。1人目のコーポレートメンバーの採用にあわせて業務の引き継ぎへ

-ExcelからScalebaseへの移行はどのように進みましたか?

井崎 様:
オンボーディングでは、CS担当者がデータ移行のためのネクストアクションを全てNotionに整理してくれたおかげでスムーズに対応できました。議事録を見れば、次回の打ち合わせまでに何をするのか、TODOを忘れずに進めることができ、すごく良い体験でした。4月26日にキックオフし、7月7日に軌道に乗ったので、移行は約2カ月で完了しました。


-Scalebase導入の効果をどのように感じていますか。

井崎 様:
一番の効果は、属人化していた業務を仕組み化できたことです。担当者の退職や部署異動により、今まで使用していたExcelが形骸化し負債になることは、よくあることだと思っています。2022年4月時点の弊社の請求業務もそのおそれが非常にありました。Scalebaseの活用により、業務の属人化を防ぎ、安定的に行えるようになったことで、私自身の心理的な負担も相当軽減できたと思います。

さらに、Scalebaseが軌道にのったタイミングで、一人目のコーポレート部のメンバーをちょうど採用でき、CEOの私から少しずつ業務をおろせるようになりました。顧客数が爆発的に増加していくなかで、請求業務の引継ぎを、描いていたシナリオ通りに進めることができたのは本当に幸運でした。


青木 様:
Scalebase導入前、井崎が対応していた時期は、時間はかかっていましたが大きなミスなく処理していたと聞いています。ただ、以前のスプレッドシートを引き継いでいたら、慣れるまでに時間がかかり、お客さまにご迷惑をおかけしていたと思います。無事引き継げたとしても、井崎から私に情報が集約されるだけなので、属人化は排除できず、引き続き請求業務は社内における大きな負担になっていたと思います。

コーポレート部門のツール導入は費用対効果が見えづらいとされていますが、業務に必要なサービスを経営者に導入してもらえることは、ある種の福利厚生だと感じました。私個人としても1人目のコーポレートというのは新しいチャレンジでしたが、Scalebaseによる業務整理があったおかげで、請求面ではお客さまにご迷惑をかけず安定したサービス提供に貢献でき、充実感を持って業務に臨めています。



顧客数の増加、請求の仕組み化、プラン変更。 Scalebaseがあったからすべてスムーズに取り組むことができた!

-他にScalebaseが貢献していることはありますか?

間瀬 様:
また、直近の数カ月は価格プランの見直しを実施しましたが、Scalebaseを入れてなかったら本当に大変だったと思います。

弊社のサービスには、3つのプランがあります。以前は機能ごとの差異はあまりなく、カスタマーサクセスがどれだけ手厚く対応するかで、プランを分けていました。下位プランは、セルフオンボーディングで打ち合わせはキックオフのみ。上位プランは、月2回の打ち合わせといったイメージです。

ただ、このプラン設計は正直失敗でした。お客様がオンボードし、サービスを使いこなせるようになればなるほど、弊社のサポートは不要となり、最終的にダウンセルが頻発するというジレンマに陥ったからです。こういった背景もあり、サポートレベルの差異から、機能レベルの差異によるプラン設計へと見直しを行いました。


-Scalebaseはどのように役立ちましたか?

青木 様:
新しい料金プランをスタートする際、Scalebase上で、新プランの商品マスタを作成し、新規の場合は契約情報に紐づけるだけ、既存の場合は契約情報に紐づく商品マスタを付け替えるだけで対応できました。新しいフローも特になく効率的に対応できたのでとても助かりました。

何より役に立ったのが、既存のお客さまが、今現在どのプランを適用し、どの請求をお送りしているのか、全件正確に整理できたことです。

見かけ上のプランは3つですが、例えば、契約時期によってプランの内訳が変わっている場合、このお客さまはすでに年間一括で請求を行っているなど、イレギュラーなケースが存在します。料金変更の案内を行う上で、新プランをどのように適用するか、通知のタイミングやコミュニケーションの構築方法を変える必要があるため、その判断材料としてとても役に立ちました。


井崎  様:
Scalebaseというサービス名は、本当にうまく考えられているなと感じています。まさしく、SecureNaviがPMFしたあとのスケールのベースを作ってくれている。顧客数の増加、請求の仕組み化、プラン変更など、すべてScalebaseがあったからこそスムーズに取り組むことができたと思っています!




フルリモートでも現場からのクレームなし。それを陰で支えているのがScalebase

-Scalebaseを一言でいうとどんな存在ですか?

間瀬 様:
「当たり前にすべきことを当たり前にできるようにするツール」です。

請求業務は間違ってはいけないというプレッシャーもあり神経を使う作業ですが、手動・目視での検証が多く、属人的なスキルに頼りがちな面があります。スプレッドシート×請求書の場合は、誤送、金額ミス、現場とのコミュニケーション不足など多くのリスクが存在します。さらに請求業務が属人化すると問い合わせもその人に集中し、月末月初の繁忙に拍車がかかるケースもあります。

SecureNaviの請求業務は、代表の井崎が元々取り組んでいたため、属人化リスクに対しての理解がありました。私が入った時にはすでにチームとして取り組んでおり、担当者がフルリモートでも現場からのクレームなしに運用できています。それを陰で支えているのがScalebaseです。

請求業務をだれでもできる業務に標準化していく取り組みの中で、ExcelではなくScalebaseというSaaSを活用できたことは、当社の事業成長において、本当に大きな意味があると感じています。


社名   | SecureNavi株式会社
業種   | ITサービス
従業員数 | 21名(2023年3月時点)
業務内容 | 企業の情報セキュリティ対策を支援するソフトウェアの開発

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