社名/東日本電信電話株式会社
業種/情報通信
新規事業をスタートする際、主力事業の販売管理DBを活用することがあります。そこで問題となるのが、既存システムで対応しきれない部分をエクセルなどのアナログな手法で管理しなければならない点です。
今回は、主力事業として「フレッツ光」などのサービスを持ち、法人向けに近年新たなサービスを展開する中で直面した契約・請求管理の課題と、Scalebaseの価値について、東日本電信電話株式会社のビジネス開発本部 CXビジネス部 業務DXサービス担当の大登 岳様(写真・右)、半田 直紀様(写真・左)に、お話を伺いました。
-会社と事業の概要について教えてください。
大登 様:
NTT東日本は、東日本地域における地域電気通信業務を担っており、インターネット光回線のフレッツ光(光回線)、電話やインターネットといった情報通信ネットワークなど、社会を支えるライフラインを提供しています。
近年は、通信技術を活用した周辺領域でも事業を展開しています。私たちが所属するビジネス開発本部CXビジネス部では、「おまかせ はたラクサポート」をはじめ、法人向けにバックオフィス系のSaaSやIoTサービスを取り扱っており、法人企業の売上向上、業務生産性の向上に貢献しています。
Scalebaseについては、「おまかせ はたラクサポート」シリーズのAI‐OCRサービス「AIよみと~る」の契約・請求管理で利用しています。
-「AIよみと~る」の請求業務に特徴はありますか?
半田 様:
「AIよみと~る」は、使用規模に合わせて法人向けのプランを3つ(小型・中型・大型)と、自治体向けプラン「LGWAN接続タイプ」の計4プランを提供しています。請求の特徴は、基本料金に無料枠を設定した上で、読み取り数に応じた従量制を採用している点です。例えば、読み取り料が計10万円分だった場合、基本料金の3万円を差し引いて、7万円分を従量料金として扱うといったロジックでの請求になります。
また、「AIよみと~る」は、AI inside社が提供する「DX Suite」をもとに企画したサービスで、AI inside社から提供される読み取りの実績データをもとに請求を行います。弊社では、顧客管理DBで顧客数の突合と、料金計算を行った上で、請求書を発行しています。
-Scalebase検討の背景、導入前の課題はどのようなものですか?
半田 様:
導入前の課題は、エクセルを用いて行う毎月の従量課金金額の計算です。
弊社には、オリジナルの基幹システムがあります。元々は「フレッツ光」の販売管理として作られたシステムですが、「AIよみと〜る」をはじめ周辺サービスでも顧客管理DBとして活用しています。ただ、「フレッツ光」は定額プランで提供しているため、従量課金の計算が必要な「AIよみと〜る」の請求に関してはエクセルで料金計算を行っていました。
そのエクセルが、まさにブラックボックスでした。以前の担当者が、膨大な計算式を組み込んで作成したものでしたが、計算ミスが何度か発生しており、信頼を持てずにいました。そのため別エクセルでも料金計算を行い、その後、私と上長で二重チェックすることで請求誤りを未然に防いでいる状況でした。
また、エクセルの運用メンテナンスにも苦慮していました。新サービスや新プランを開始する際、まず顧客管理DBとエクセルを読み解くことが必要で、小回りが効かないことも課題に感じていました。
-Scalebase導入の決め手について教えてください。
大登 様:
システム導入の目的は、請求誤りの防止と、機動力の向上、そして後任者にも引き継ぎやすい業務フローの構築でした。
仮に、自社開発をする場合、要件定義からベンダーの選定など1年近くかかるプロジェクトになります。こうしたスピード感やコスト面と比較して、エクセルの代替となり、かつコンパクトに進められるSaaSに大きな可能性を感じていました。
Scalebaseに関しては、AI inside社をはじめとした導入実績と、従量課金計算に優れていた点が大きかったです。また、弊社の基幹システムと比較した時に、Scalebaseは非常にシンプルな構造で、アプリケーション開発を専門にしていない人間でもUI上から簡単に操作できる点も決め手になりました。
-Scalebaseへの移行はどのように進みましたか?
半田 様:
商品マスタなどの基本設計の構築、Sandboxと本番環境での設定、料金計算のアウトプットの確認という3つの工程で進めました。従量計算部分に関してはかなり複雑な計算式だったため、実際に計算が合っているか、顧客数が合っているかなど丁寧に確認しました。
時間は少しかかりましたが、即レスを基本としたサポート対応のスムーズさと、毎週開催される定例MTGのおかげで、完璧に仕上げることができました。
-Scalebase導入の効果をどのように感じていますか。
半田 様:
従量課金計算の自動化については、しっかりと効果を発揮してくれています。
Scalebaseでは、顧客情報・契約情報を登録し、毎月使用量データをインポートすることで料金計算を自動で行ってくれます。今まではエクセルのロジックを理解しきれておらず、誤差発生時に手動補正していましたが、今ではその心配がなくなりました。
また、今までは順番に確認作業をしていたので、最初の料金計算に時間がかかると確認者の負担が大きくなっていました。今では使用量データを入れるだけで自動計算されるため、スケジュール的にもだいぶ余裕ができています。実際に、約50%程度の請求作業が削減していると感じています。
-運用メンテナンスという観点ではいかがでしょうか。
半田 様:
新たに提供開始するサービス(プラン)を追加する際に、ScalebaseのUI上から設定できる点でも大いに助かっています。
直近では、「はたラクサポート」の別サービスである「BtoBプラットフォーム 請求書」について、Scalebaseでの管理を開始しました。従来の顧客管理DBとエクセルの対応では、1つのサービス(プラン)を追加するのに、ツールの解読から改修・設計に30人日は掛かっていましたが、Scalebaseではたった5人日ほどで設定・準備ができています。
機動力という意味でも間違いなく効果を発揮しており、「はたラクサポート」シリーズで発生する他の料金計算業務も、少しずつScalebaseに移行できれば嬉しいと思っています。
-Scalebaseを一言でいうとどんな存在ですか?
半田 様:
「請求業務の相棒」です。もちろん裏にはCS担当者のサポートがあるのですが、Scalebaseのおかげで安心して請求業務ができています。 また、弊社の組織体制上、3年に1回程度のペースで異動があります。弊社として、エクセルのようなツールがブラックボックスになりやすいのはそういった背景もあります。Scalebaseさえ残っていれば私の後任の担当者も簡単に使えると思いますし、安心して引き継ぎができると感じています。
大登 様:
私たちのサービスにとってScalebaseは、エクセルでの従量計算や新サービス提供開始時のツール改修によって起こりえた請求誤りの不安を解消する、無くてはならないものです。こちらの期待に十二分に応えてもらっています。
これから提供サービスを追加していく中で、また複雑な料金計算が発生すると思っています。Scalebaseでうまく対応して行ければと、引き続き頼りにしています。
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