社名/メダップ株式会社
業種/情報通信
スプレッドシートでの契約・請求管理は自由度が高い一方、内容が正しいかの確認に時間がかかり、心理的にも負担がかかることがあります。今後の企業成長にあわせて、プライシングを変更しようと思っても、スプレッドシートでの管理がネックになり、検討に時間がかかってしまうことも。
今回は、契約・請求管理についてスタートアップが考えるべき業務効率化の視点、また病院という特殊な提供先にあわせて考えるプライシング戦略について、病院向けSaaSツールを提供するメダップ株式会社 コーポレートデザイン部の中澤 智美様、八木 太朗様に、お話を伺いました。
-会社と事業の概要について教えてください。
八木 様:
メダップ株式会社は「経営から、病院を変える。病院から、医療を変える。」というVisionのもと、中・大病院向け地域医療連携プラットフォーム「foro CRM」、病院とクリニックをつなぐWeb紹介予約システム「refery」の2サービスを提供しています。
病院経営におけるあらゆる課題(医療費の増大・少子高齢化の進行・地域連携活動など)に、プロダクトの活用を通して病院自身が取り組むことで、質の高い医療をサステナブルに提供できる医療システムに貢献し、誰もが安心して医療を受けられる社会の実現を目指しています。
-「foro CRM」の請求業務に特徴はありますか?
八木 様:
Scalebaseは、「foro CRM」の契約・請求管理で利用しています。
「foro CRM」は、地域医療の連携先・コミュニケーションの一元管理など、地域医療連携に特化した病院向けのサービスです。現在は月額プランをベースに、月払いと年払いに対応したシンプルな料金体系で提供しています。
契約管理の観点で見ると、契約期間の関係で過去の料金プランからの移行前のユーザーもいるため、実質的に扱うプラン数は複数あります。さらに、ユーザーが公的な医療機関の場合は、予算策定サイクルや時期の関係で、契約期間がイレギュラーになることがあります。
-Scalebase検討の背景、導入前の課題はどのようなものですか?
中澤 様:
以前はスプレッドシートで契約・請求の管理をしていましたが、以下のような部分で不便さを感じていました。
このような状況と今後の契約増加や新規プロダクトのリリースを考慮したときに、提供サービスのマスタから契約、請求情報を一元的に管理し、より効率的な体制を作りたいというところでScalebaseの検討をはじめました。
-Scalebase導入の決め手について教えてください。
中澤 様:
Salesforceの活用やスプレッドシートの発展なども考えましたが、Scalebaseの契約管理、料金プランにおける表現力・カスタマイズ性の高さが決め手となり導入を決めました。
スプレッドシートで感じていた不便さを解消できることはもちろんですが、現在提供している契約条件だけでなく、マルチプロダクトをはじめ将来的にどれだけ複雑になっても対応できるイメージを持てたことが非常に大きかったです。
-Scalebaseへの移行はどうでしたか?
中澤 様:
定例のMTGでタスクとスケジュールの確認をしながら、2ヶ月ほどで移行を完了しました。全体の操作説明も分かりやすく、テスト環境で事前に試せたおかげで、本番移行後の混乱もありませんでした。
-Scalebase導入の効果をどのように感じていますか。
中澤 様:
契約のチェックから請求にかかわる業務の工数は半減したと感じています。
スプレッドシートで管理するかScalebaseで管理するかの差のため、入力の際にかかる工数はそこまで変わらないはずですが、スプレッドシートの時は更新漏れはないか、請求書システムへの転記に誤りはないかなど、様々な箇所で確認が必要でした。丁寧に作業しても、請求金額やプラン名の記載に間違いがあったり、ユーザーさんからお問い合わせをいただくこともありました。作業内容が細かく、心理的にも非常に大変でした。
Scalebaseを利用して感じた最大の価値は、請求に関する情報が正しく一括管理されていることだと思います。
提供プランのマスタ情報をもとに、顧客の契約情報を管理できるため、新旧をはじめプランが多く存在する場合でも、契約管理や請求作成の手間がかかりません。また、Scalebaseから請求書発行システムへのデータ連携はもちろん、期中の契約変更なども予約登録が可能で、その時期が到達したときに自動で反映されるため、請求ミスや見直しの手間がなくなったことは本当に助かっています。
八木 様:
Scalebaseの導入によりコーポレートとして請求管理の基盤を作れたことで、セールスチームとコーポレートの役割分担が明確になり、業務のフローを整えることもできました。
以前は、セールスチームが契約を主導しており、コーポレートはその情報を一生懸命収集するところからスタートでした。Scalebase導入後は、セールスチームは商談フェーズまでの管理、契約書の作成からコーポレートという運用になり、請求のタイミングでの漏れは無くなりました。
請求業務そのものではなく、社内における情報連携をどのように行うべきかという仕組み作りに目を向けられたことは、大きな進歩だったと思います。
-他にどのようなことに期待していますか。
中澤 様:
スプレッドシートで不便に感じていた課題を解決できたこともそうですが、導入の決め手となった契約管理、料金プランにおける表現力・カスタマイズ性の高さによって、プラン改定やマルチプロダクトの契約・請求管理の準備を整えることができました。
八木 様:
地域医療連携は、かかりつけ医と病院との間の「紹介・逆紹介」によって、医療機関の持つ役割にあわせて切れ目のない医療を提供することを目的としています。ただ、病院として地域連携活動の重要性を認識していますが、具体的に行われている施策は病院により様々で、「foro CRM」を導入いただくことで何を実現できるのか、期待値の認識をそろえることが必要です。
また、こうした地域医療連携の状況や、病院の収入にかかわる診療報酬体系なども含めて、国が方針を決定する医療制度を理解をしたうえでサービスを提供する必要があります。
「foro CRM」は、サービスローンチしてからどういう価格帯で提供すべきか何度か試してきました。以前は各病院ごとの地域連携活動のフェーズにあわせて使える機能に段階を分けるプラン構成でしたが、いまは全ユーザーにフル機能を提供するシンプルな形にしています。
中澤 様:
Scalebaseは提供プランのマスタ情報をもとに契約、請求情報を管理できるため、プランの切り替えや改定を行いやすく、また料金設計がかなり柔軟に設計できる点は、今後複数のプロダクトにまたがる契約やプラン改定が発生した際も、効果を発揮してくれると期待しています。
-Scalebaseを一言でいうとどんな存在ですか?
中澤 様:
Scalebaseは、社内の請求管理の型化、効率化のキッカケであり、安心して請求業務を行うためには欠かせない存在です。
Scalebase導入当時、管理件数は30件程度でスプレッドシートでもまだ対応できると思っていました。実際多くの企業でも、「まずは自分たちで」となりがちだと思います。その一方で、頑張ればできないことはないけど結構労力がかかる。スタートアップは人手がなく、やれることが限られている中で時間の使い方を考えた時に、請求が間違っていないかのチェックではなく、どうしたらより効率的にできるのかに充てるべきという結論になりました。
スプレッドシートで管理していた時は、請求にミスがないように、スプレッドシート、Slack、請求書を何度も確認していました。早い段階でScalebaseを導入したことで、業務上で何かミスが起きた時に、どうしたらうまくいくんだろうという仕組み作りに目を向けられたという点でもおすすめします。
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