社名/アイレット株式会社
業種/情報通信
クラウド関連サービスを提供する企業では、クラウド利用量をベースに、パッケージとしてのサービス料金を請求することがあります。そしてAmazon Web Services(以下、AWS)やMicrosoft Azure(以下、Azure)をはじめとしたクラウドコンピューティングサービスは利用料金が月ごとに変動するため、クラウドインテグレーション事業者は非常に複雑な料金計算が行われています。
今回は、AWSをはじめとしたクラウド関連事業で発生する複雑な料金計算とScalebaseの貢献について、クラウドの導入・運用、システム開発・UI/UXデザイン制作などを提供するアイレット株式会社からGlobal Solutions事業部 GMのファーガソン様(写真・右)、ファイナンスグループの松田様(写真・左)に、お話を伺いました。
-会社と事業の概要について教えてください。
ファーガソン 様:
アイレット株式会社は、クラウドの導入設計から構築・保守・運用をトータルでサポートする「cloudpack」の提供を中心に、システム設計・開発・UI/UXデザインまでをワンストップで提供しています。また、我々が所属するGlobal Solutions事業部では、提携事業として、米Rackspace Technology社(以下、Rackspace)のマルチクラウドソリューションサービスを日本国内で提供しています。
グローバル展開を行う日系企業や日本国内の外資系企業を中心に、幅広い法人や官公庁を相手に、クラウドの活用とシステム開発・Web開発のあらゆる側面からお客様の課題と向き合い、解決への支援をしています。
-Global Solutions事業部での契約・請求管理に特徴はありますか?
松田 様:
Scalebaseは、Rackspaceサービスを取り扱うGlobal Solutions事業部での契約、請求管理で使用しています。
Rackspaceサービスは大きく分けてクラウド移行支援とクラウド運用監視の2つのサービスがあります。クラウド移行支援やその他のプロフェッショナルサービスは案件ごとの見積・請求となります。また、契約内容や規模によって請求パターン、支払計画は異なり、定額請求もあればマイルストーン請求もあるのが特徴です。クラウド運用監視では、基本料金モデルはクラウド利用料金ベースの積み上げ式従量課金となっており、AWS・Azureの利用料からパーセンテージを請求しています。
-Scalebase検討の背景、導入前の課題はどのようなものですか?
松田 様:
元々の課題は業務オペレーションが複雑化しており、管理すべき情報が散在していたことです。営業数字はSalesforce、契約書はMicrosoftのSharePoint、料金計算はExcelといったイメージで、この散らばった構造を一か所に集約し、可視化したいというのがテーマでした。そこからまず、料金計算で活用しているExcelをまず廃止しようというところからスタートしました。
Scalebase導入の決め手について教えてください。
松田 様:
クラウド運用監視サービスの複雑な料金計算に対応できるかどうかを判断基準に、4社ほどサービスを比較しました。1か月のPoCでは、Scalebaseでどのように表現するか、かなり知恵やフォローをいただいたと思います。機能面と費用面、「Rackspace」を扱う事業部のビジネスステージ、カスタマーサクセス担当がアサインされるなどのサービス類似性、カスタマーサクセス担当者の印象等を総合的に判断し、最終的にScalebaseを選択しました。
-Rackspaceでのクラウド運用監視サービスの料金体系について教えて下さい。
ファーガソン 様:
AWSやAzureといったパブリッククラウドの運用監視サービスの場合、以下のような複雑性を帯びています。
①【クラウド使用量の変動性】お客様ごとに毎月のクラウド使用量にあわせてAWSやAzureの利用料金が確定します。
②【ドル建ての考慮】AWSの場合はドル建てでの請求のため、円建てのAzureとは別の計算フローであることを確認します。
③【Rackspaceのサービスとしての料率計算】AWSクラウド利用料金をベースに、Rackspaceのサービス利用料として料率テーブル(10ティア)にかけあわせて最終的な料金を算出します。なお運用監視サービスは3プランあり、プランごとに異なる料率テーブルが存在しています。
まとめると「クラウド使用量の従量性」、「(AWSの場合は)外貨対応」そして「Rackspaceの従量計算」が絡んでいます。最終的な請求金額は、お客様のAWS利用量と連動しており、利用量が上がるとAWS利用料も上がりRackspaceとしての請求金額も上がる。特に今は、為替変動も大きく、毎月の請求はダイナミックに変動しています。
他にも、移行支援や特別なセキュリティのソリューションは、プロフェッショナルサービスとしてワンタイムでの請求も発生することなど、オペレーションの整理だけでもかなり大変な思いをしています。
-Scalebase導入の効果をどのように感じていますか。
ファーガソン 様:
この特殊な料金体系は日本国内ではあまり浸透していないモデルで、一般的な場合は、サーバー1台あたりの固定料金が主流だと思います。我々は、顧客のニーズに応じた様々な環境をパッケージに組み込み、かつ利用量に連動させることで、顧客にとって適切な料金形態を追求しています。
AWSのドル建ての計算は改善点がまだありますが、Rackspaceサービスとして設定している10段の料率テーブルを用いた積み上げ式の従量計算は、Scalebaseの構造と非常にマッチしていると感じています。この料金モデルの実現を支え、料金計算を効率化してくれたという意味で大きな価値を感じています。
元々は、利用料金の計算はRackspace社が行い、Rackspace社から提供されるExcelデータを、契約単位に別ファイルで毎月集計し直すことで、請求金額を確定させていました。売上に関わる部分のため、アイレットで巻き取り、自社でスピーディに対応したいとずっと考えていました。Excelでも、料率テーブルを用いた料金計算は対応できましたが、Scalebaseを導入したことで、契約件数が今以上に増えた場合のヒューマンエラーの懸念もなく、自社で完結できるようになり、事業としても一歩前進できたと思っています。
-散在していた情報の集約、可視化というテーマに関してはいかがでしょうか?
松田 様:
従量計算のシステム化を起点に、請求計算がシステム化され、月次の請求データを一元管理されるようになったことことはもちろん、顧客情報と紐づく契約条件の管理、サービスプランのマスタまで整理できたことは大きな前進だと思います。
以前の契約管理では、契約内容の確認が必要になった際、格納された環境に契約書を都度探しに行くなど、管理自体の属人性と非効率な業務に課題を感じていました。Scalebaseの導入により、契約文書や契約内容を誰でも簡単に確認できるようになりました。最終的には、事業部の全メンバーがScalebaseの契約情報を見られるようにすることで、事業部全体の業務効率化にも繋げたいと思っています。
-Scalebaseを一言でいうとどんな存在ですか?
ファーガソン 様:
Scalebaseで最初に思うのは「フレキシブル、柔軟性」です。ビジネスを進めるにあたって課題に直面することはよくあることです。その課題に対して、アルプさんの解決・改善していこうという姿勢は期待以上で、本当にチームメンバーのように感じています。我々も同じようなビジネスモデルなので「パートナー・伴走型」という言葉をよく使いますが、本当に波長が合うと感じています。
Scalebaseには無理難題を伝えることもありますが、問題解決に共に立ち向かうバックエンドのパートナーとして、これからも一緒に成長したいと思っています。
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