社名/CENTLESS株式会社
業種/情報通信業
近年、IoTサービスの世界でもサブスクリプションビジネスが広まっています。
今回は、2020年11月の事業開始からまだ2年半、従業員数もわずか10名のIoT×サブスク企業が実践するScalebase活用事例として、一般貨物運送事業者に向けにクラウド型デジタルタコグラフ「OCTLINK」を提供するCENTLESS株式会社の代表取締役でバックオフィスシステムを担当する村竹 昌人様(写真・左)に、お話を伺いました。
-会社と事業の概要について教えてください。
村竹 様:
CENTLESS株式会社は、クラウド型デジタルタコグラフ「OCTLINK」を提供する鳥取県米子市発のIoTスタートアップ企業です。
国土交通省により運行記録計(タコグラフ)の装着が義務化されている事業用トラックを保有する一般貨物運送事業者に向けに、車両に搭載し運行データの記録・データ通信を行うデジタルタコグラフ(以下、デジタコ)本体と、サーバー上に送信された運行データを分析・集計・見える化するWebサービスを提供しています。
中小物流事業者にも導入しやすい業界最安値クラスのデジタコにより、2020年11月に事業を開始以降、約200社に対して2,500台以上のデジタコを提供しており、国内の物流業務のデジタル化(業務改善・労働環境改善)を進めています。
-「OCTLINK」の請求業務に特徴はありますか?
村竹 様:
「OCTLINK」の請求は、デジタコ本体の機器代金と、デジタコからのデータを活用しレポート作成を行うWebサービスの月額料金があります。業界最安値クラスのデジタコを、訴求のポイントにしていますので、お客さまに分かりやすい料金体系を意識しています。
料金表以外の特徴でいうと、取引先の運送業界に合わせた運用が多くなっています。
例えば、デジタコはトラック1台ごとに設置が必要のため、増車や車両売却による減車にあわせて契約変更が必要になります。そのため、1ヵ月単位の契約期間で提供しており、毎月請求を行っています。また、会社の規模に応じて1社あたり10台〜200台程度の提供になるほか、増車に伴いデジタコ1台だけ追加受注が入るケースも多くあります。他にも、再販事業者(販売代理店)と直販の2つの商流で販売しているのが特徴と言えます。
-Scalebase検討の背景、導入前の課題はどのようなものですか?
村竹 様:
元々は親会社の1つの事業としてスタートしており、2020年にスピンオフして新たに会社を立ち上げたという経緯があります。Scalebaseの導入は、その際に社内システムの構築が必要となったのがきっかけです。
前職・前々職での経験から、月額課金の大変さと請求業務システム化の重要性を感じていました。ただ、過去には、バックオフィス系のシステムをフルスクラッチで開発して大変な目にあったこともあり、進化の速いSaaSのなかでいいサービスを組み合わせることが大事だと考えていました。
事業開始の当初は、親会社で行っていた請求フローに沿ってひとまず運用を行いましたが、バックオフィス系システムの全体像をどのように設計すべきかはずっと考えていました。
-Scalebase導入の決め手について教えてください。
村竹 様:
クラウドサービスを組み合わせるときの一番の問題は、それぞれのサービスのカバレッジの円が重なってしまうこと。場合によってはかなりの範囲が重なってしまうことがあり、それが無駄だと思っていました。
その点、Scalebaseは、CRMと会計ソフトの間に綺麗にはまり、非常に魅力を感じました。各システム間におけるデータ連携の重要性も理解しており、APIの提供や、レポートのアウトプットの充実といった将来的に見据える世界観、思想もよかったです。請求関係はScalebaseで構築しようとすぐに決めることができました。
-Scalebaseの導入はどのように進みましたか?
村竹 様:
ほぼ同じ時期に、Salesforceの導入プロジェクトも進めていたので、正直大変でした。その分、Scalebaseのオンボーディングはすごく丁寧で、ここまでやるの?っていうのが印象に残っています。稼働するまでできることは何でもやるというスタンスを感じました。
定例MTGを毎週開催し、データの設定から、会計システムへの連携など、2-3ヶ月くらいで完了しました。請求周期など初見だと慣れない用語も多く、プロダクトの構造理解に少し手間取りましたが、ある程度理解すれば挙動も予想でき、基本構造に忠実なサービスだと感心した覚えがあります。
-Scalebase導入の効果をどのように感じていますか。
村竹 様:
Scalebase導入前の運用では、Filemakerにお客さま情報をまとめ、請求データをスプレッドシートで管理していました。特に大変だったのは契約管理の部分です。
運送業界の文化もあって、追加発注を電話で受けることが多く、その注文をスプレッドシートに反映したかすら把握できない状況でした。「正しい契約情報が分からない。」「そういえば少し前に、追加の連絡があったかも?」といった状態を毎月繰り返していました。月末から月初にかけて5日程度かけて契約・請求データを整理し、やっと請求書を出せたと思った矢先、お客さまから間違いを指摘してもらったこともありました。
Scalebase導入後は、契約情報の更新履歴が残るようになったことで、更新漏れを発見でき、契約情報としての正確性に自信を持てるようになりました。請求業務も綺麗に回り始め、月初1営業日目で締めて、その日に請求書発行まで終えられています。
契約管理をしっかりと整備し、請求データが自動作成されるだけで、ここまで楽になるとは思っていませんでした。以前の比較でいうと、顧客数は約150%に成長しましたが、業務量は約20%ほどまで削減しています!
-他にScalebaseが貢献していることはありますか?
村竹 様:
また契約管理でいうと、「OCTLINK」では、再販事業者におろしていく商流と、直販の商流が存在します。
再販事業者の契約に関しては、代理店管理の区分こそありませんが、内訳管理として登録しているエンドユーザーの詳細で一部のカラムを使用して代理店を紐づけています。各明細を1枚の請求書にまとめる運用もできるので、販売代理店への請求も問題なく行えています。
現時点で、再販事業者と直販の割合がほぼ拮抗しているので、1つのシステムで2つの商流を正確に管理できることは非常に助かります。
-Scalebaseに要望はありますか?
村竹 様:
Scalebaseのデータエクスポートの柔軟性は、これから期待している部分です。
再販事業者ごとにレポートをまとめられたらいいなと考えていますが、かなり個別的なニーズだと思っています。我々もサービスとしてダッシュボードを提供しているので個別要望への対応の大変さは理解しており、どちらかというとデータの出力に柔軟性を持たせてもらえれば、我々の方でレポート作成ができると考えています。
Salesforceの商談情報からでもある程度算出できますが、確実なのはやっぱりScalebaseの情報だと思っているので、ぜひもっと活用したいです。
-Scalebaseを一言でいうとどんな存在ですか?
村竹 様:
「CENTLESSのコアメンバー」です。スタートアップにとって初期メンバーはとても重要で、まだ10名の我々にとってScalebaseはすでに大きい存在となっています。また、事業をスタートしてすぐのタイミングで、裏側のシステムをどう設計するかといった内容を相談させてもらっているので、サポートチームも含めて、コアメンバーだと思っています。本当に頼りにしています。
-サブスク管理で困っている企業様に向けてぜひコメントをお願いします。
村竹 様:
契約・請求の管理は、スプレッドシートでもある程度できると思います。ただ、我々のような小さいスタートアップは、絶対避けた方がいい。事業が今後伸びることを想定すると、小さい段階で入れた方が間違いなく楽ですし、成長への道筋を計算しやすくなります。「今はまだ早い」と考えたくなる気持ちもわかりますが、そう結論付けた時点で「もう遅れが生じている」ということだと思います。
スプレッドシートで運用をしていた時はチェックシートなどを作っても常に懸念が頭にありました。Scalebaseを導入してからは、その存在を忘れるくらい綺麗に回っています。同じようなスタートアップ企業の方にはぜひ実感していただきたいです。
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