2024.12.13

BtoB SaaS事業者向け!売上向上に繋がる料金表作成のポイント

SaaSビジネスにおいて、料金表は単なる価格リストではありません。顧客に対してサービスの価値を伝え、競合他社との差別化を図る重要なマーケティングツールです。本記事では、BtoB SaaS事業者が料金表を作成する際の重要なポイントを解説し、売上向上に繋がる最適なプラン設計やシステム選びのコツを紹介します。

また、SaaSビジネスにおける従量モデルの魅力や、具体的な金額の算出方法、プライシングの見直しの重要性など、事業成長に役立つプライシングの考え方を分かりやすく解説した資料もご提供しています。ご興味のある方は「サブスクリプションにおける料金設計(プライシング)の基本」もあわせてお読みください。


目次
SaaS事業者が知っておくべき料金表の重要な役割
SaaS事業における料金表作成の基本ステップとポイント
SaaS事業の成長を支えるシステムの選び方
SaaS事業の契約管理、料金計算、請求書発行・代金回収までを支える「Scalebase」


SaaS事業者が知っておくべき料金表の重要な役割

SaaSビジネスにおいて、料金表は単に価格を提示するだけのものではなく、顧客にサービスの価値を伝える重要なコミュニケーションツールです。料金表を戦略的に設計することで、ビジネスモデルを強化し、競合に対する優位性を築くことも可能です。ここでは、その重要な役割を3つの視点から解説します。

サービスの価値と価格を明確に結びつける

料金表には、顧客にサービスの価値と価格を結び付けて訴求する大切な役割があります。特にBtoBのSaaSビジネスでは、顧客が投資対効果(ROI)を重視する傾向があるため、以下の内容を組み込むことでサービスの価値をより明確に伝えることができます。

  • コスト削減効果(年間で削減可能な人件費や時間を記載する)
  • 業務削減効果(自動化により削減できる業務プロセスの割合を記載する)

例えば、「請求書処理を自動化する」SaaSサービスを提供する場合、「毎月○時間の業務削減」や「○%のエラー削減」といった情報を料金表に盛り込むと、顧客は価格とサービスの価値を結び付けてイメージしやすくなります。

ビジネスモデルを反映する

サービスの収益モデルに沿った料金設計を行うことで、ビジネスモデルをさらに強化できます。これにより、ビジネスモデルの優位性を最大限に活かし、顧客のニーズに最適化された価格体系を提供することが可能です。

  • 定額課金モデル(安定的な収益を確保できる)
  • 従量課金モデル(使用量に応じて収益が上がる)
  • ハイブリッドモデル(安定収益確保に加え、使用量に応じて収益も上がる)


【参考記事】従量課金とは?メリット・デメリットから具体事例まで徹底解説


競合優位性を示す

料金表は、競合他社との差別化を図るための重要な武器です。以下のような価値を強調することで、競合に対する優位性を築くことが可能です。

  • 競合にない付加価値の提示(充実したサポート体制、導入後のカスタマイズオプションなど)
  • 柔軟な料金プランの提示(顧客のニーズに合わせてカスタマイズ可能な料金プランを提供)

例えば、競合が提供していない専任サポートや無料のオンボーディングセッションを提示することで、価格以上の付加価値を訴求できます。また、初期費用や契約期間について柔軟性のある料金プランを用意することで、顧客の潜在的なリスクを軽減し、選ばれる確率を高めることができます。


SaaS事業における料金表作成の基本ステップとポイント

訴求力のある料金表を作成するには、サービスのターゲットとなる顧客のニーズを正確に捉え、ビジネスモデルに最適なプライシングを設計する必要があります。本章では、料金表作成の具体的なステップとポイント、そして料金表の例について解説します。

ターゲット顧客層の明確化

最初に行うべきは、ターゲットとする顧客層を明確にすることです。BtoB SaaSでは、企業の規模、業種、導入目的などによって顧客のニーズが異なるため、以下のポイントを把握することが重要です。

  • 企業規模:中小企業向けの手頃なプランや、大企業向けのフル機能プランなど
  • 業種  :製造業向けの在庫管理機能を強化、IT企業向けにAPI連携機能を強化など
  • 導入目的:業務効率化、コスト削減、売上向上など、目的別のプラン設計

収益モデルの選定(定額、従量課金、ハイブリッドなど)

収益モデルの選定は、ビジネスの成長に直結する重要なステップです。ターゲット顧客層に合わせた収益モデルを選定しましょう。以下は主な収益モデルと、そのターゲットに応じた料金プランの設定例です。

収益モデル       ターゲット顧客        料金プランの設定例      
定額課金モデル・一定の機能を継続に使用する顧客層
・予算を固定化したい中小企業層
・月額1万円で基本機能をすべて利用可能
・月額2万円で基本機能、オプションサービスは月額5,000円で利用可能
従量課金モデル・利用頻度や利用規模が異なる顧客層
・利用量が季節やプロジェクトごとに変動する顧客層
・1ユーザーあたり月額1,000円
・データ使用量1GBごとに月300円
ハイブリッドモデル・基本利用が安定しつつ、追加ニーズがある顧客層
・スケーラビリティや柔軟性を求める中堅〜大企業
・月額5,000円の基本料金+データ使用量
・月額10,000円の基本料金+1ユーザーあたり月額500円

最も売りたいプランを強調しやすい3つのプランで提示

料金表では、顧客が選びやすいように3つのプランを提示することが効果的です。特に、中間のスタンダードプランを「おすすめ」として目立つデザインにすることで、顧客の選択を誘導しやすくなります。

・エントリープラン(ベーシックプラン)

対象顧客:小規模企業、初期導入を検討している顧客
価格:月額5,000円
特徴:基本機能のみ提供、サポートはメール対応のみ

・スタンダードプラン(中間プラン)

対象顧客:もっとも売りたい顧客層(中規模企業)
価格:月額15,000円
特徴:主要機能すべてを提供、チャットサポート、月次レポート機能付き

・プレミアムプラン(上位プラン)

対象顧客:大企業、フルサポートを求める顧客
価格:月額50,000円
特徴:全機能+カスタマイズ対応、専任担当者のサポート、API連携の拡張

汎用性の高いサービスは料金表をサイトに掲載する

標準的な機能が中心で、導入プロセスが比較的シンプルなサービスは、料金表を公式サイトに公開するのが効果的です。これにより、見込み顧客が導入検討の初期段階でコスト感を把握しやすくなり、その場で意思決定ができるためWebからの顧客流入が期待できます。

<料金プラン掲載内容>

対象:小規模企業、初期導入を検討している顧客
価格:月額10,000円
特徴:基本機能のみ提供、サポートはメール対応のみ。オプション機能や追加サポートについては「お見積もり依頼」ボタンを設置



SaaS事業の成長を支えるシステムの選び方

SaaS事業の成長には、柔軟な契約・料金設定が可能なシステムと、データに基づく意思決定を支えるレポーティング機能が不可欠です。ここでは、システム選定における重要な確認ポイントを解説します。

戦略にあわせた契約管理や料金設定ができること

SaaS事業者が競争優位を保つためには、顧客ごとに異なるニーズに柔軟に対応できる契約管理や料金設定機能が欠かせません。

・複数のプライシングモデルに対応
→定額課金、従量課金、ハイブリッド課金など、多様なプライシングモデルを1つのシステムで管理できること

・カスタマイズ可能な契約期間と支払い条件
→月次や年次契約や試用期間など、契約条件を顧客ごとに柔軟に設定できること

戦略的な意思決定を支えるレポーティング機能があること

データに基づいた意思決定は、SaaS事業の成長において欠かせません。売上動向、顧客の利用状況、解約率などをタイムリーに把握できるレポーティング機能が重要です。

・売上推移や顧客動向の可視化
→過去の売上データ、契約更新率、解約率(チャーン率)などをリアルタイムで把握できるダッシュボード機能

・主要KPIの自動レポート生成
→月次・四半期ごとのKPI(顧客獲得単価、顧客生涯価値、解約率など)を自動で集計、レポート化する機能



SaaS事業の契約管理、料金計算、請求書発行・代金回収までを支える「Scalebase」

SaaS事業における既存顧客の契約管理や請求業務の効率化には、継続課金ビジネスに対応した販売・請求管理システムの導入が挙げられます。ここで、SaaS企業を中心に約200社以上の導入実績を持つ販売・請求管理システム「Scalebase」を紹介します。

Scalebaseは、営業が使用するSalesforceなどのCRM・SFAと、経理が使用する会計ソフトの間に位置するサービスです。継続課金ビジネスならではの複雑な契約形態、従量課金において取引量に応じて変動する料率設定、オプション機能の追加などを踏まえた契約変更の履歴管理に対応しています。

請求管理では、Scalebaseで設定した計算式(商品マスタ)と使用量データのインポートにより従量計算、サービス・オプションを組み合わせた合計請求額などを自動で算出するため、ミスなく迅速に請求データの確定が行えます。作成された請求データは、請求書の発行、もしくは決済システムへ連携され、毎月の請求業務の効率化に貢献します。



さらにScalebaseでは、契約・請求データをもとに毎月のMRRやChurn Rateの可視化にも対応しています。毎月、顧客に出す請求のデータをそのまま活用するため、正確な数字を設定なしで可視化します。



まとめ

競争の激しいSaaSビジネスで成功するためには、料金表の設計が極めて重要です。顧客のニーズに応じた柔軟な料金設定と、データに基づく意思決定を支えるシステムを選定することで、売上と顧客満足度の向上を加速できます。本記事をきっかけに、貴社のSaaSビジネス料金表の見直しをしてみませんか。

サブスクビジネスにおける契約管理・請求管理の効率化でお悩みの場合は、サブスク企業が多く使用する、販売・請求管理システム「Scalebase」や「SaaS販売管理の業務効率化 | Scalebase(スケールベース)」をぜひチェックしてみてください。


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