2024.10.16

GMV(流通取引総額)とは?売り上げとの違いや、GMS・GTV・TPV・GPVまで解説

近年、ECモールやフリマサイト、フードデリバリーサービスなど、商品やサービスを販売するプラットフォームを提供するビジネスが増えています。それらのEC事業やマーケットプレイス事業、決済関連事業に注目されている指標に「GMV」、つまり「流通取引総額」があります。

この記事では、GMVについて、売り上げとの違い、GMS・GTV・TPV・GPVとの違いについてもわかりやすく解説しました。


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目次
GMV(流通取引総額)とは?
GMVと売り上げの違い
GMVの計算式
GMVはなぜ重要なのか?
GMS、GTV、TPV、GPVとは
プラットフォーム事業者の請求を支える契約・請求管理システム「Scalebase」


GMV(流通取引総額)とは?


GMVとは、Gross Merchandise Valueの略で、あるマーケットにおいて消費者が購入した商品やサービスの売上合計額を指します。日本語では「流通取引総額」とも呼ばれ、一般的にオンラインでのマーケットプレイスやECプラットフォームにおいて使用される概念です。

GMVは、どのくらいの量の商取引を行われたかを示すものであり、加えてその事業が持つマーケット規模や成長性を把握する際に有効です。例えば、株式会社メルカリでは、2024年6月期(2023年7月~2023年9月)のメルカリのGMVは2,460億円と公表(2024年6月期 第1四半期決算短信)されています。これは2023年の7月から9月までの間に2,460億円の商取引が行われたことを意味します。

ここから、他プラットフォームや、前年同月比と比較することで、マーケット規模や成長性を把握することが可能です。



GMVと売り上げの違い


GMVは、取引された商品やサービスの金額を合計であり、マーケット規模の大きさを計るには有効ですが、実際の売り上げとは異なります。

インターネット上で行う商品やサービスの取引をECと言いますが、ECには大きく分けてテナント型とマーケットプレイス型の2種類があります。

テナント型で有名なのはAmazonです。運営者であるAmazonが商品を仕入れ、販売しています。テナント型で、売上は「売上=販売額ー仕入れ費用」となります。対してマーケットプレイス型は、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、販売場所を提供し、それぞれの出品者が商品を仕入れて行う取引です。マーケットプレイス型は、商品の売上はなく、利用者からの手数料が収益となるビジネスモデルです。そのため収益=GMV×手数料(%)になります。


GMVの規模は重要ですが、マーケット事業者の売り上げにそのままなるわけではないことに注意が必要です。


GMVの計算式


GMVは、実際の流通取引総額を示すものですが、「総取引件数×1件あたりの平均取引金額」で算出することもできます。

つまり、総取引件数と1件あたりの取引金額を増加させることで、GMVが増加します。総取引件数はユーザーに着目すると、「ユーザー数×1人あたり取引件数」と置き換えも可能です。従って、プラットフォーム事業を展開する際は、「ユーザー数の増加」「1人あたり取引件数の増加」「1回あたり取引金額の増加」に向けた取り組みが有効であると分かります。


GMVはなぜ重要なのか

GMVが重視されている理由には下記のようなものがあります。

GMVが売上高を構成する要素である

マーケットプレイス事業の場合、GMVにテイクレートを掛けた金額が売上高になります。そのためGMVの規模が大きければその分売上に直結し、伸び率が高ければそのまま売上高の伸び率となります。

市場規模や成長性が読み取れる

GMVの値から、そのビジネスの市場規模を読み取れます。また、過去のデータや年数などほかの数字と比較することで、そのビジネスのマーケットシェアや成長性がわかります。市場規模や成長性は、投資家の判断材料ともなるため、対外的に自社ビジネスについて説明できる材料を持っておくことは欠かせません。GMVの把握は、事業成長にも繋がっていきます。

キャッシュフローにおいて重要である

マーケットプレイス型のビジネスでは、そのプラットフォーム上で決済される金額が預かり金として自社で管理することになる場合もあります。その一方で、例えばGMVが10億円で手数料が10%の場合、収益は1億円です。しかし、会計処理を行うときには、GMVの10億円と収益の1億円をそれぞれ正しく把握し、ミスなく処理を行う必要があります。自社の収益だけでなく、GMVを正しく把握し処理できるシステムを構築することが求められます。



GMS、GTV、TPV、GPVとは


GMVと合わせて覚えていきたい指標として、GMS、GTV、TPV、GPVがあります。どれもGMSとほぼ同じ意味になりますが、各企業によって使い分けれれていることが多いので、それぞれの違いを説明します。

GMS (Gross Merchandise Sales)

GMS(Gross Merchandise Sales)は、GMVとほぼ同義です。GMVのVは、Value=「値」を意味しますが、GMSのSは、Sales=「売上」を意味します。結果として示すものはほぼ同じですが、GMSの方がより厳密に売上について言及している点で違いがあります。

GTV (Gross Transaction Value)

GTV(Gross Transaction Value)も、GMVと似たような意味で使われます。ただし、GMVのMはMerchandise=「商品」を指すのに対し、GTVのTはTransactionは「(業務などの)処理」を指し、GTVのほうがより企業の業務の一環としての意味合いが強いです。
日本ではほとんどの場面で「GMV」を用いますが、株式や有価証券報告書に関する取引の場面ではGTVが使われることもあるようです。

TPV(Total Payment Volume)

TPV(Total Payment Volume)は、マーケットやプラットフォーム、あるいは特定の決済処理で消費者が支払った金額の合計額を指します。マーケットプレイス型ECや決済処理を提供するビジネスでよく用いられています。
例えばAmazonでは、決済機能のみを他企業に貸し出すAmazonペイが導入されています。このような場合に、決済機能を介した売上のみをTPVとし、GMVとTPVを分けて求める場合もあります。

GPV(Gross Payment Volume)

GPV(Gross Payment Volume)は、TPVとほぼ同じ意味になります。TPVのTはTotal、GPVのGはGrossでどちらも「全体の」を意味する言葉のため、両社に大きな違いはないと考えられます。


プラットフォーム事業者の請求を支える契約・請求管理システム「Scalebase」


マーケットプレイス型のプラットフォーム事業者は、「GMV × テイクレート(手数料)」で売り上げが確定します。ただし実際には、各店舗ごとの取引量に対してテイクレートを掛け合わせ、毎月請求を行うことで得られます。

ここで、プラットフォーム事業者の継続的な請求を支える契約・請求管理システム「Scalebase」を紹介します。「Scalebase」はSaaS、サブスクリプション・リカーリングなど、あらゆる継続課金ビジネスに特化した販売・請求管理システムです。

Scalebaseでは既存顧客の契約管理を行います。継続課金ビジネスならではの複雑な契約形態、各店舗ごとに適用されるテークレートや、取引量に応じて変動する料率設定、オプション機能の追加などを踏まえた契約変更の履歴管理に対応しています。請求管理では、Scalebaseで設定した計算式(商品マスタ)と使用量データのインポートにより従量計算、サービス・オプションを組み合わせた合計請求額などを自動で算出するため、ミスなく迅速に請求データの確定が行えます。

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