2024.10.16

売掛金の未回収を防ぐには?未入金が発生する理由や発生時の対処法、リスク回避の方法を解説

売掛金の未回収は会社の資金繰りに影響するため、未入金回収は重要な業務です。しかし、取引先との関係もあるため難しい、いち経理のメンバーとしては難しい業務でもあります。

ここでは未入金が発生する理由や、売掛金が回収できない場合の対処法、また、未回収リスクを減らす方法について詳しく解説しています。


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目次
未入金とは?
未入金が発生する理由
売掛金が回収できない場合
売掛金の時効
法的措置による売掛金の回収方法
未回収リスクを発生させない方法は?
Scalebase ペイメント
まとめ


未入金とは?

未入金とは、商品やサービスの代金のうち、回収が済んでいないものを指します。

企業間の取引では、商品やサービスの提供後、後でまとめて代金を回収する「掛け売り」が一般的です。一定期間後に支払われるお金は「売掛金」として処理され、支払いが行われた後「売上」として計上しますが、「売掛金」のうち期日を過ぎても入金が行われないものを「未入金」といいます。未入金は自社のキャッシュフローに大きな影響を与えるため、発生した場合は迅速な対応が必要です。

なお、未入金とよく似た言葉に「未収入金」があります。未収入金は不動産売却や有価証券売却など、営業取引を伴う本来業務以外で発生し回収できていない金融債権です。「未入金」と「未収入金」は本来業務で発生した債権か否かという点で違いがあります。



未入金が発生する理由

未入金が発生する理由には、次のようなものが考えられます。

請求・消込漏れ

まず考えられるのは、自社からの請求書送付や入金消込が漏れていた可能性です。電子メールであれば送信履歴から送信日時や内容の確認が行いましょう。普通郵便の場合は、相手に届いていない可能性もあります。また入金がされているが消込が漏れているケースもあります。まず、自社側の責任を疑い、請求業務にミスが発生していた場合には、すみやかに対応しましょう。

→入金消込とは?注意すべき点と効率化のポイントについて解説

取引先の単純なミス

請求が正しく行われているにもかかわらず入金が行われなかった場合、取引先の単純なミスが考えられます。入金期日を忘れていた、請求書を紛失した、入金期日を勘違いしていた、などです。入金や支払いの業務を手作業で行っている場合も多く、ヒューマンエラーが発生しやすいポイントです。単純ミスが原因であれば、連絡をすることですぐに対応してもらえることが多いです。

支払能力の低下による不払い

取引先の経営悪化に伴い、入金が行われていない可能性もあります。何度かメールや電話で督促を行っているにも関わらず支払いが行われない場合は、貸し倒れリスクが高くなっています。万が一、取引先が更生手続きを進める状況にになれば、未収金の回収は困難です。定期的に与信審査を行い、取引の方法を見直すなどの対応が必要です。

故意の不払い

経営状態が良好で、支払い能力があるにも関わらず意図的に支払いが行わない可能性もあります。被害に合わないために、事前に取引先の基本情報や過去の実績・事例など最低限の情報は把握しておきましょう。故意による不払いは、後述する法的手段に訴えることも視野にいれておく必要があります。




売掛金が回収できない場合

取引先へ連絡

入金期日が過ぎたタイミングで、まずは電話やメールで取引先へ連絡しましょう。取引先の単純なミスであればこの段階で支払いが行われることが多いです。取引先の経営不振の場合にも、早い段階であれば支払期日の再設定や分割払いの提案などで回収できる見込みがあります。

商品の出荷、サービスの提供を停止

未入金の連絡後も支払いが確認できない場合は、サービス提供を停止も検討しましょう。提供を停止することで自社の損失がこれ以上大きくなることを防ぎます。

買掛金との相殺

お互いにサービスの提供を行っている場合には、売掛金を買掛金で相殺することも検討しましょう。これにより自社の損害を少しでも減らすことが可能です。ただし、取引先が破産手続きなどの法的整理に入ると、相殺期間が限定されるなど認められなくなる可能性があります。早めに「相殺通知書」を送付するなどの対応を行いましょう。

売掛金の放棄

売掛金を放棄という選択肢もあります。売掛金が回収できない場合でも、そのままでは税金が課されてしまいます。売掛金について権利放棄をすると、損金として計上できるため、節税対策になることがあります。売掛金の放棄は「全て放棄」だけでなく「一部のみ放棄」も可能です。


売掛金の時効

売掛金には時効があり、時効が成立した場合は、回収できなくなってしまいます。民法166条では、2020年4月以降に発生した売掛金の時効は「支払い期限から5年」と設定されています。2020年3月以前の売掛金の時効は「支払い期限から2年」です。消滅時効は、取引先が時効であることを主張することによって成立します。時効が成立する前に取り立てを行うことが大切です。




法的措置による売掛金の回収方法

取引先に支払い意思がない、交渉ができないといった場合には法的措置による売掛金の回収を行います。

内容証明郵便による督促

内容証明郵便とは、「いつ・だれが・だれ宛に・どのような内容の」郵便を差し出したかを日本郵便が証明する制度です。通常の郵便であれば「届いていない」と言われてしまい、催促・督促の有無があったのかを客観的に確認することができません。しかし、内容証明郵便であれば差し出した日や内容を証明できるため、法的措置をとる際の証拠となります。また、相手に心理的なプレッシャーを与える効果もあります。

支払督促

内容証明を送っても効果がない場合には、簡易裁判所を通じて支払督促を行います。裁判所に出向く必要はなく、書類審査のみで支払いを命じる督促状を債務者へ送付してもらえます。督促状の送付から2週間が経過しても支払いが行われず、異議申し立てもない場合には、「仮執行宣言付支払督促」により、強制執行の申し立てが可能です。これにより、預金口座の差し押さえが可能となります。

少額訴訟

未回収の売掛金が60万円以下の場合、簡易裁判所で少額訴訟が行えます。弁護士に依頼することなく裁判が可能で、原則として一回の審理で判決が出るため、通常の裁判よりも負担が少ないです。裁判により違法性が認められれば回収できる可能性も高くなります。

通常訴訟

通常訴訟の場合は、専門的な知識が必要となるため、弁護士への依頼が必要です。少額訴訟と比べて時間も費用もかかるため、訴訟に見合った成果が得られるか慎重に判断しましょう。


未回収を発生させない方法は?

売掛金は未回収が発生すると督促に対する多くの手間がかかるだけでなく、会社全体の資金繰りの調整も行わなければならず、場合によっては会社の将来が左右されます。未回収のリスクを減らす対策をあらかじめ行っておくことが大切です。

与信管理の強化

与信管理とは、企業の決算書や信用調査会社のデータを基に「その企業と取引しても大丈夫か」「いくらまでの取引なら大丈夫か」を判断することです。与信管理は取引をはじめるタイミングだけでなく、定期的に行うことが肝心です。取引先の信用力が低下していると判断できる場合には、取引量の制限や、前払いや現金取引のみにするなどの契約見直しを行いましょう。取引先の財務状況を把握しておくことで、未回収を未然に防げます。

支払期日の調整

取引先との信頼関係が出来るまでは、締め日と支払日の間隔を短くしてなるべく早く売掛金を回収する方法もあります。例えば、通常であれば納入月の末日に締め、翌月の末日に支払日を設定しているところを、取引後間もない企業では納入月の末日に締め、翌月10日に支払日を設定するというやり方です。締め日から支払日までの間隔が短いほうが、自社の資金繰りの悪化を防止できます。

売掛金管理の徹底と迅速な通知

売掛金管理台帳の作成やシステムの導入などで売掛金管理を徹底しまししょう。未入金はいかに迅速に通知できるかが重要です。取引先も失念や勘違いによる未回収リスクを抑えられます。万が一請求書送付が遅れれば、支払期日の管理がずさんな会社だと思われかねません。支払日を1日でも過ぎた場合にも迅速に通知を行い、売掛金管理を徹底している会社と取引先に認知してもらうことが大切です。

売掛保証・ファクタリング

売掛保証やファクタリングのサービスを利用するという方法があります。

売掛保証では、売掛保証会社が自社の取引先について信用調査をし、審査を行います。審査に通過すれば売掛保証会社に手数料を支払って契約を結びます。取引先にはサービス利用は通知されないため、取引先との関係に影響を与えることなく未回収リスクを抑えられます。

ファクタリングは、自社が持つ売掛債権を売却し、即座に現金化するサービスです。債還請求権なしの契約であれば、取引先の倒産などで売掛金を回収できなくなっても自社が支払い義務を負うことがありません。ファクタリングには自社とファクタリング会社で契約を結ぶ2社間ファクタリングと、取引先も含めて契約を結ぶ3社間ファクタリングがあり、3社間ファクタリングのほうが手数料が低くなります。

他にも、請求書の作成から入金消込、支払い督促に至るまでの請求・決済業務を委託する方法もあります。請求・決済業務の委託により、自社への負担なく未回収リスクを抑えることが可能です。



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まとめ

未入金が発生した場合には、状況に応じて迅速に督促対応を行う必要があります。最悪の場合には訴訟といった方法も考えられますが、そのような事態に発展する前に、まずは売掛金の未回収リスクを抑えられるシステムを構築しておくことが重要です。


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