2024.12.16

インボイス制度とは?サブスクビジネスの請求書発行業務における課題を解決

インボイス制度は、特にサブスクリプションビジネスにおける企業の請求書発行業務に大きな影響を与えています。本記事では、請求書発行業務の効率化における課題と解決策から、ビジネスの成長を支えるシステムの選び方まで、分かりやすくご説明します。

BtoB向けサブスクビジネスを成長させていくためには、請求書発行業務の効率化以外にも、いくつか押さえるべきポイントがあります。詳しく知りたい方は「BtoB継続課金ビジネスを成功に導く販売・請求管理」をあわせてお読みください。


目次
インボイス制度とは
サブスクビジネスの請求書発行業務における課題と解決策
サブスクビジネスの成長を支えるシステムの選び方
サブスク事業の契約管理、料金計算、請求書発行・代金回収までを支える「Scalebase」


請求書管理システムとは?

2023年10月から日本で導入されたインボイス制度は、消費税の適切な納付を促進するために導入された制度です。適格請求書(インボイス)には、消費税率や税額を明確に記載し、取引先がその情報を基に仕入税額控除を行なえるようにする役割があります。

インボイス制度導入の背景と目的

インボイス制度は、消費税の転嫁状況や仕入税額控除をより正確に把握し、税務処理の透明性を高める目的で導入されました。従来の仕組みでは、簡易な請求書でも仕入税額控除が認められていたため、不正な控除や税務処理ミスが発生する可能性がありました。また、仕入税額控除が適用されない場合、消費税負担が増えるリスクも存在します。

インボイス制度が導入されたことで、適格請求書に消費税額を明記することが義務づけられ、正確な仕入税額控除が確保され、税務リスクが軽減されました。また、複数税率が適用される取引にも対応できる制度にもなっています。

適格請求書(インボイス)の要件とは

下記の要件を満たす請求書を発行することで、受領側の企業は仕入税額控除を受けられるようになります。

・発行者の氏名または名称
・発行者の登録番号
・取引内容(商品やサービス)
・消費税率ごとの税額および総額
・取引日時(年月日)

サブスクリプションビジネスへの影響

サブスクリプションビジネスは、従来の売り切り型のビジネスとは異なり、定期的な請求書の発行や消費税の適用計算が発生するため、業務が複雑になることがあります。特に、複数の料金プランや従量課金計算が存在する場合、業務負担がより高くなる傾向があります。


サブスクビジネスの請求書発行業務における課題と解決策

サブスクリプションビジネスにおける請求業務は、複雑な料金体系や多様な請求手段、法改正対応など多くの課題を抱えています。ここではそれらの代表的な課題と事例、それを解決するための方法について紹介します。

課題1:複雑な料金体系の管理

サブスクリプションビジネスでは、定額料金プランだけでなく、従量課金やアップセル、ダウングレードなど多岐にわたる料金プランの登録と変更処理が随時発生します。これらをエクセルなどで管理するのは、ヒューマンエラーが発生しやすいだけでなく、効率的ではありません。

あるメディア配信企業では、基本プランに追加機能のオプションを設けており、顧客ごとに異なる組み合わせの料金計算を行っていました。この料金体系をエクセルで管理していたため、毎月の請求書発行時に多くのエラーが発生し、顧客からの問い合わせや修正依頼が発生して頭を抱えていました。

解決策1:自動化された請求管理システムの導入

料金体系管理の課題を解消するためには、自動化された請求管理のシステム化が有効です。これにより、契約内容や使用量に応じた請求書を正確に発行し、請求ミスを削減することができるようになりました。


課題2:多様な請求手段への対応とスケーラビリティ

多様な請求手段(電子請求書、郵送、オンライン決済など)に対応する必要がある場合、請求書発行業務は特に煩雑になります。さらに、ビジネスの成長に伴い、顧客数が増えるほど手間がかかるようになります。

あるITソリューション企業では、顧客ごとにあわせた手段で請求書を送付していました。ある顧客はPDFでのメール送信を希望し、別の顧客はオンラインポータルからの請求書ダウンロードで対応するなど、要求が多岐にわたるだけでなく、請求期日の管理も煩雑化してしまい大きな負担になっているという話もよく耳にします。

解決策2:多彩な送付方法への対応と効率化

Web発行・メール送付だけではなく、印刷・封入・投函作業が不要になる郵送代行にも対応しているシステムを導入することで、コスト削減と業務の効率化が図れます。また、顧客ごとに請求方法を選択できる仕組みが整うことで、管理業務も効率化され、スケーラビリティにも対応できるようになります。


課題3:インボイス制度や消費税への対応

消費税率の変更やインボイス制度の導入など、法改正対応にも柔軟に対応する必要があります。しかし、仕組みなしで最新の法令に追従していくことは難しく、結果的に法的リスクを抱えることになるので心配だというご相談を受けることもあります。

あるアプリケーション開発会社では、消費税率変更の対応が遅れ、旧税率で発行した請求書を再発行することとなりました。これにより請求業務が遅れ、キャッシュフローにも影響が出てしまいました。

解決策3:法改正に対応したシステムの導入

法改正に柔軟に対応できるシステムを導入することで、常に最新の法規制に準拠した請求書を発行できる環境を整えられます。加えて、自動で税率を更新し、インボイスの要件を満たすフォーマットに対応するシステムを使えば、法的リスクを最小限に抑えつつ業務効率を維持できます。



サブスクビジネスの成長を支えるシステムの選び方

サブスクリプションビジネスにおいて、システム導入は、請求書発行業務の効率化にとどまらず、ビジネス成長を支えることにもつながります。しかし、そのためには、適切なシステムを選択することが不可欠です。以下に、システム選定のポイントを解説します。

顧客ごとの契約や従量料金、請求方法を適切に管理できること

サブスクリプションビジネスでは、顧客ごとの契約条件や利用状況に応じて、異なる料金体系が設定されるのが一般的です。例えば、基本プランにオプションを追加したり、利用量に応じた従量課金を導入したりする場合、契約内容に基づいた料金計算が複雑になりがちです。

このような場合、システムが顧客ごとの契約や利用データを正確に管理し、自動的に適切な金額を請求できることが求められます。料金プランや従量課金の柔軟な設定ができるシステムを選ぶことで、契約管理から請求までが効率化し、ビジネスの加速にもつながります。

インボイス制度など法改正に対応する機能があること

日本のインボイス制度では、消費税の課税事業者が発行する適格請求書(インボイス)に正確な税額を記載することが法的に義務化されています。適格請求書を発行できないと、取引先は仕入税額控除を受けられなくなり、取引上の信頼を損なう可能性もあります。

このため、請求書発行システムがインボイス制度に対応していることは必須です。具体的には、システムが自動的に適切な税額を計算し、インボイス要件を満たすフォーマットで請求書を発行できる機能が求められます。さらに、消費税率の変更が行われた際にも、システムが迅速に対応できることが重要です。

意思決定を支えるデータの可視化と分析機能があること

サブスクリプションビジネスにおける請求書発行システムは、単に請求を行うだけでなく、経営の意思決定を支えるデータ分析機能を持つことが重要です。例えば、売上の傾向や契約の更新時期などを分析し、次のアクションを計画するための指標としても活用ができます。

また、契約・請求に関わるデータを一元管理することで、サブスクリプションビジネスのKPI(重要業績評価指標)をリアルタイムで追跡でき、経営陣が迅速に判断を下すことができるようにもなります。





サブスク事業の契約管理、料金計算、請求書発行・代金回収までを支える「Scalebase」

Scalebaseは、SaaS企業を中心に200社以上に導入されている実績があります。このサービスの特徴は、受注後の顧客管理に特化していることです。具体的には、顧客情報・契約内容・請求情報などを一元管理できます。

顧客管理の面では、取引先に関するあらゆる情報を管理できます。会社名・担当者名・部署・住所・連絡先など、基本的な情報をもれなく登録・管理することで、正確でスムーズな業務ができるようになります。一つの顧客(法人)に対して、複数の担当者情報を登録することができ、たとえば、「納入先の担当はAさん、契約書の送付先はBさん」のように、担当者ごとに役割が違う場合でも、きちんと管理できます。

また、Scalebaseは、営業が使用するSalesforceなどのCRM・SFAと、経理が使用する会計ソフトの間に位置するサービスです。継続課金ビジネスならではの複雑な契約形態、従量課金において取引量に応じて変動する料率設定、オプション機能の追加などを踏まえた契約変更の履歴管理に対応しています。

請求管理では、Scalebaseで設定した計算式(商品マスタ)と使用量データのインポートにより従量計算、サービス・オプションを組み合わせた合計請求額などを自動で算出するため、ミスなく迅速に請求データの確定が行えます。作成された請求データは、請求書の発行、もしくは決済システムへ連携され、毎月の請求業務の効率化に貢献します。


Scalebaseは、レポート機能も充実しています。契約・請求データをもとに毎月のMRRやChurn Rateといった事業指標の可視化だけでなく、対象月における契約改定一覧や、契約更新一覧などのレポーティングにも対応しています。毎月、顧客に出す請求のデータをそのまま活用するため、SFAやSRMと比較してより正確なデータであることが大きな特徴です。


まとめ

特にサブスクリプションビジネスにおける請求書発行業務の課題を解決するためには、適切なシステムの選定が不可欠です。請求管理に課題を抱えている企業や担当者の皆さまは、本記事を参考に、ビジネスの加速にもつながる請求書発行システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、請求書発行業務の効率化でお悩みの場合は、サブスク企業が多く使用する、販売・請求管理システム「Scalebase」をぜひチェックしてみてください。サービスの詳細について知りたい方は「Scalebase(スケールベース)請求書発行の業務効率化」から資料をダウンロードできます。


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