2024.11.25

LTV向上のための施策|メリット・計算方法・効果的なツールも解説

サブスクリプションや従量課金ビジネスでは、LTV(顧客生涯価値)を向上させることが、持続的な成長にとって重要です。本記事では、LTVの定義・計算方法・活用のメリット、そしてLTVを向上させるためのポイントについて解説します。

BtoB向け継続課金サービスの事業を成功させるためには、LTVを向上させる以外にも、いくつか押さえるべきポイントがあります。成功のポイントを詳しく知りたい方は「BtoB継続課金ビジネスを成功に導く販売・請求管理」をお読みください。


目次
LTVとは
LTVの計算方法
LTVを向上させるポイント
LTV向上にはCRMツールの活用が有効
既存顧客を管理!販売・請求管理システム「Scalebase」


LTVとは

LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)とは、顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの間に、自社がその顧客から得られる利益の総額を示す指標です。LTVを確認することで、各顧客が企業にとってどれだけの価値を持っているかが明確になり、マーケティング戦略やビジネスの意思決定に役立ちます。

顧客の好みや購買パターンが多様化し、人口減少により新規顧客の獲得が難しくなっている現代では、企業のマーケティングにおいてLTVの考え方は欠かせません。

LTVの計算方法はいくつかありますが、代表的な計算方法として以下2つの計算式があります。

  • 基本的なLTVの計算方法:平均顧客単価×利益率×購買頻度×継続期間
  • サブスクリプション商材の計算方法:ユーザー平均単価×粗利率÷解約率

それぞれの計算方法について、詳しく解説します。

①基本的なLTVの計算方法

基本的なLTVの計算方法は、「平均顧客単価×利益率×購買頻度×継続期間」です。ECや通販を含む小売業やサービス業がLTVを計算したい場合に適しています。

具体的な例を使って計算してみましょう。

  • 平均顧客単価:10,000円
  • 利益率:20%(0.2)
  • 購買頻度:年に2回
  • 継続期間:3年

この場合、LTVの計算は以下のようになります。

「LTV=10,000×0.2×2×3=12,000」

この例では、1人(1社)の顧客から得られる生涯価値(LTV)は、12,000円となります。

②サブスクリプション商材の計算方法

サブスクリプション商材のLTVの計算方法は、「ユーザー平均単価×粗利率÷解約率」です。サブスクリプション型の商品は、定額制で販売されるため、一定期間の利益を見込めますが、解約のリスクも伴います。解約率は、「月ごとの解約顧客数」÷「月の総顧客数」で計算します。

具体的な例を使って計算してみましょう。

  • ユーザー平均単価:1,000円/月
  • 粗利率:30%(0.3)
  • 解約率:5%(0.05)

この場合、LTVの計算は以下のようになります。

「LTV=1,000×0.3÷0.05=6,000」

この例では、1人の顧客から得られる生涯価値(LTV)は6,000円となります。

LTVを向上させるポイント

LTVを向上させるポイントは、次の6つです。

  • 顧客ロイヤルティの向上
  • 平均購買単価を上げる
  • 購買頻度を増やす
  • 顧客獲得・維持コストを下げる
  • 解約率(離脱率)の低下
  • 顧客維持率・継続期間を上げる

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

顧客ロイヤルティの向上

顧客ロイヤルティを高めることは、LTV向上に効果的です。顧客ロイヤルティとは、顧客が企業やサービスに対して抱く信頼感や愛着のことです。

顧客ロイヤルティが高まると、顧客が長期的に自社の商品やサービスを利用し続ける可能性が高くなり、結果としてLTVが向上します。顧客ロイヤルティを高める主な方法は、以下のとおりです。

  • パーソナライズされたサービスの提供
  • 顧客とのコミュニケーションの強化
  • ロイヤルティプログラムの導入(ポイント制度や特典など)

これらを実践することで、顧客は自分が大切にされていると感じ、顧客ロイヤルティが高まります。

平均購買単価を上げる

LTVを向上させるには、平均購買単価を上げることも有効です。平均購買単価が上がれば、顧客一人あたりの収益が増え、LTVも自然と高くなります。

平均購買単価を上げる主な方法は、以下のとおりです。

方法内容
アップセルやクロスセルの提案 既存の商品やサービスに関連する高価格の商品を提案することで、顧客の購買単価を上げます。
価格戦略の見直し商品やサービスの価値に見合った価格設定を行うことで、適正な価格で販売することが重要です。

これらの方法を実践することで、平均購買単価を上げ、LTVを向上させられます。

購買頻度を増やす

購買頻度を増やすことでもLTVを向上させられます。顧客がより頻繁に購入することで総収益が増加し、結果としてLTVも高くなります。

購買頻度を増やす主な方法は、以下のとおりです。

方法内容
定期購入プログラムの導入定期的に商品を購入する仕組みを提供することで、顧客が継続的に購入するよう促します。
リマインダーやフォローアップ購入後にリマインダーやフォローアップのメールを送ることで、再購入を促します。
プロモーションやセールの実施 定期的にプロモーションやセールを行うことで、顧客が購入する機会を増やします。

これらの取り組みを行うことで、顧客の購買頻度を増やし、最終的にLTV向上につなげられます。

顧客獲得・維持コストを下げる

顧客獲得コストや顧客維持コストを下げることも、LTVを向上させるための効果的な方法です。これにより顧客から得られる利益が増え、LTVが高くなります。

それぞれの主な方法は、以下のとおりです。

【顧客獲得コストを下げる方法】

方法内容
ターゲティングの精度向上顧客のニーズや行動を分析し、最適なターゲットに絞ることで、無駄な広告費を削減できます。
デジタルマーケティングの活用 SEOやコンテンツマーケティングを駆使して、低コストで見込み客を集められます。
口コミや紹介の活用顧客満足度を高めることで、口コミや紹介を通じて新規顧客を獲得しやすくなります。

【顧客維持コストを下げる方法】

方法内容
顧客管理システムの導入顧客情報を一元管理することで、効率的なフォローアップが可能になります。
定期的なコミュニケーション メールマガジンやSNSを活用して、顧客との関係を維持し、リピート購入を促進します。

これらの方法を実践することで、顧客獲得・維持コストを下げ、LTVの向上を達成できます。

解約率(離脱率)の低下

解約率を低下させることも、LTVを向上させるために効果的な方法です。多くの顧客を獲得しても、解約率が高いとLTVの向上には結びつかないためです。

解約率を低下させる主な方法は、以下のとおりです。

方法内容
顧客フィードバックの収集解約した顧客からフィードバックを収集し、改善点を特定します。
ターゲティングの最適化適切な顧客層に対してマーケティングを行い、満足度の高い顧客を獲得します。
顧客サービスの向上顧客対応の品質を向上させることで、顧客満足度を高め、解約を防ぎます。

これらの方法を実践することで、解約率を低下させ、結果としてLTVを向上させられます。

顧客維持率・継続期間を上げる

LTVを向上させるうえで、顧客維持率と購買期間を上げることも重要です。長期間にわたって継続的に購買している顧客は、その商品や企業のファンになっていると考えられます。

こうしたファンになった顧客は、他社の商品に乗り換えるリスクが低く、また口コミで新しいファンを増やす効果も期待できるため、売上の基盤として非常に重要な存在です。

顧客に長く続けて買ってもらうためには、定期的に情報を発信したり、利用期間や更新回数に応じた特典を用意したりするなど、顧客が継続しやすい購買環境を整えることが必要です。


→導入実績多数!SaaS事業の販売管理なら「Scalebase」


LTV向上にはCRMツールの活用が有効

LTVを理解し活用することは、顧客との長期的な関係構築とビジネスの成長促進につながります。そしてLTVを向上させるには、CRMツールを有効活用することが重要になります。CRMとは、顧客管理を行うためのシステムのことです。

CRMツールを使えば、LTV向上に効果的な営業戦略を立てられます。たとえば、顧客の個人情報・購入履歴・お問い合わせ履歴などを一元管理し、データを分析できるため、それぞれの顧客に合った対応がしやすくなります。

顧客に合った対応をすることで、顧客との関係がより深まり、顧客満足度やロイヤルティが向上します。その結果、顧客が長期間にわたって利用し続ける可能性が高まり、LTVが向上します。



既存顧客を管理!販売・請求管理システム「Scalebase」

サブスクリプション・従量課金ビジネスを成功に導く販売・請求管理システム「Scalebase」を紹介します。

Scalebaseは、営業が使用するSalesforceなどのCRM・SFAと、経理が使用する会計ソフトの間に位置するサービスです。サブスクリプションビジネスならではの複雑な契約形態、従量課金において取引量に応じて変動する料率設定、オプション機能の追加などを踏まえた契約変更の履歴管理に対応しています。

請求管理では、Scalebaseで設定した計算式(商品マスタ)と使用量データのインポートによる料金計算、サービス・オプションを組み合わせた合計請求額などを自動で算出し、請求書発行にまで対応。前受収益の管理や会計ソフト連携にまで対応しています。





さらにScalebaseでは、契約・請求データをもとに毎月のMRRやChurn Rateの可視化にも対応しています。毎月、顧客に出す請求のデータをそのまま活用するため、正確な数字を設定なしで可視化します。



まとめ

本記事では、LTVという言葉の定義からLTVの計算方法、活用のメリットやLTVを向上させるポイントについて解説しました。

LTVを向上させることは、収益性の高いビジネスを築き、継続的な成長を実現するために欠かせません。特に、サブスクリプションや従量課金ビジネスでは、顧客の継続的な商品やサービスの利用が売上に直接影響を与えるため、LTVの重要性は一層高くなります。
LTV向上でお悩みの方は、サブスクリプション企業が多く使用する販売・請求管理システム「Scalebase」をぜひチェックしてみてください。サービスについて詳しく知りたい方は「SaaSモデル|ストックビジネス|従量課金 のパートナー」から資料をダウンロードできます。



関連記事

LOADING...

まずは資料ダウンロードから

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
料金や機能など詳しくご案内します。